視界に浮遊物が写り込んでしまう「飛蚊症」。
黒い点や糸くずのようなものが見えて、不快感を覚えている人もいるでしょう。
この記事では、飛蚊症の原因や予防効果を期待できるルテイン、治療について紹介します。
視界に黒い点が見える?飛蚊症とは
飛蚊症(ひぶんしょう)とは、視界にアメーバや糸くずのようなもの、黒い点などが見えてしまう症状のことです。
暗い場所では気にならず、明るい場所や白い壁紙などを見たときに目立つのが特徴。
ほかにも、視線を動かしても一緒に付いてくる、目薬の点眼やまばたきなどをしても消えないなど独特な特徴があります。
病気ではないかと不安に思ってしまう方も多い症状ですが、ほとんどが生理的な原因によるものなので、多少の症状が出ても特に心配する必要はないでしょう。
しかし、目の病気が原因で発症することもあるので、気になる場合は眼科を受診するのがおすすめです。
特に「浮遊物の数が増えた」「視界の一部が欠けている」「急に視力が下がった」などの症状が出た場合は、緊急性の高い病気の可能性があるので早めに受診しましょう。
飛蚊症の原因【生理的要因】
飛蚊症は生理的要因が原因となり、目の中にあるゼリー状の組織「硝子体(しょうしたい)」が濁ること(硝子体混濁)で発症するケースが多いです。
加齢によるものがほとんどですが、生活スタイルによっては10代〜20代の若い世代でも発症する場合があります。
まずは飛蚊症を引き起こす、生理的な原因を紹介します。
ストレス・疲れ
飛蚊症を発症させる生理的な原因の1つ目は、ストレスと疲れです。
ストレス・疲れは、体内に多量の「活性酸素」を発生させます。
この活性酸素には硝子体を変質させる働きがあり、この変質によって濁りが出た場合には飛蚊症の症状が出てしまうといわれています。
もちろん一時的なものであれば発症する可能性は高くありませんが、過度のストレスや慢性的な疲れを身体が感じていた場合には、症状が出る可能性は高まるでしょう。
忙しい現代社会では、どちらも完全になくすのは難しいですが、症状を悪化させたくない・予防したいなら、睡眠や食事などの生活習慣を見直すのがおすすめです。
スマホの見すぎ・紫外線
スマホの見すぎや紫外線も、飛蚊症の原因となる場合が多いです。
スマホのディスプレイから発せられるブルーライトや、太陽光の紫外線は細胞内に活性酸素を発生させます。
短時間であれば問題ありませんが、長時間ブルーライトや紫外線を目に入れてしまうと、細胞内に多量の活性酸素が発生し、飛蚊症を引き起こす可能性があります。
こちらは、スマホを見る時間を減らしたり、ブルーライトや紫外線をカットするアイテムを使ったりすることで手軽に対策できるので、予防を考えている方は試してみてはいかがでしょうか。
生まれつき
10代や20代などの、若い世代に多い飛蚊症の発生原因が生まれつきの体質です。
具体的には、硝子体の血管によるもの。
本来、硝子体の血管は生まれる前になくなるものですが、人によっては部分的に残っており、アメーバや影が見える症状を引き起こします。
他の生理的要因と違い、ライフスタイルや身体の不調が原因で起こるものではないので、基本的に治療や対策は必要ありません。
気になる方は定期的に眼科を受診しておくと、病気の早期発見や悪化の予防にも役立つのでおすすめです。
飛蚊症の原因【病的要因】
飛蚊症は生理的要因が影響して、発症することがほとんどです。
しかし、なかには目の病気が原因となっており、急いで治療が必要なケースもあります。
次は飛蚊症の原因を、病的要因に絞って紹介します。
網膜裂孔・網膜剥離
飛蚊症の原因となる病気が、網膜裂孔と網膜剥離です。
「網膜裂孔」は網膜に穴ができる病気で、自覚症状は少ないものの網膜剥離に進行する緊急性の高い病気。
「網膜剥離」は目の奥側にある網膜が剥がれてしまう病気で、歪んで見えたり視野が欠けたりするほか、放置すると失明のリスクがある病気としても知られています。
両者とも色素細胞の浮遊や患部の出血が起こる病気で片方の症状、もしくは両方が発生した場合に、飛蚊症が自覚症状として表れます。
「急に浮遊物が多くなった」「見え方が変わった」場合は、網膜裂孔や網膜剥離の可能性もあるので早めに検査を受けましょう。
後部硝子体剥離
「後部硝子体剥離」は、飛蚊症の原因として有名な病気です。
硝子体から網膜が剥がれる病気で、剥がれた部分や残った網膜などが原因となり、飛蚊症が起こります。
失明リスクのある網膜剥離と似ていますが、こちらは主に老化が原因なので、60代前後になって急に浮遊物が見えはじめたケースなら、特別な治療は必要ないといわれています。
しかし、他の病気を併発したり、違う病気だったりする可能性も十分に考えられるので、異変を感じたらすぐに眼科を受診するのがおすすめです。
強度近視
飛蚊症を引き起こす病気を、併発しやすい目の状態が「強度近視」です。
強度近視の方は目の奥の直径が縦の直径よりも長く、楕円形の眼球になっているため網膜が引っ張られやすい状態になっています。
そのため正常な人に比べて網膜裂孔や網膜剥離、後部硝子体剥離といった、硝子体と網膜に関連する病気が発生しやすいです。
根本的な治療はできませんが、強度近視の進行を抑制や病気の早期発見のためにも、定期的に眼科を受診するようにしましょう。
硝子体出血
「硝子体出血」とは目の中で出血した血液が、硝子体に入りこんだ状態のことです。
この状態になると血液で濁った部分が浮遊物に見え、飛蚊症の症状を感じます。
主な原因は、糖尿病や高血圧などの出血が起こりやすい病気や、目の打撲など。
出血が再発しない限り飛蚊症の症状は改善しますが、網膜裂孔や網膜剥離などの病気を併発している可能性もあるので、異変を感じたらすぐに眼科を受診するのがおすすめです。
ぶどう膜炎
硝子体と網膜に関連する病気以外で、飛蚊症の原因となるのものが「ぶどう膜炎」です。
網膜の外側にある「ぶどう膜」に炎症が起こる病気で、ヘルペス属のウイルスや細菌による感染性ぶどう膜炎と、サルコイドーシスなどによる非感染性の2種があります。
どちらも硝子体混濁の原因となる炎症を引き起こすため、この病気にかかってしまうと飛蚊症のように感じる場合があるでしょう。
目の赤みや痛み、視界のかすみ・歪みなど自覚しやすい症状を伴うことが多いのもこの病気の特徴です。
感染症
飛蚊症の原因となる病気の中でも、特に急いで治療する必要があるのが感染症です。
白内障や緑内障の手術の際に細菌が入った、体内の細菌が目に回った、目に異物が刺さったなど、目に直接菌が入ることで起こるのが特徴。
ぶどう膜炎と同様に目の炎症を引き起こすので、飛蚊症の症状も強く出ることがあります。
視界のかすみや目の痛みを感じるほか、放置すると視力低下や失明リスクもあるなど、危険性も高い病気です。
飛蚊症と同じ原因でなる「光視症」とは
「光視症」とは光が直接目に当たっていないのに視界に光が見えたり、チカチカした光を感じたりする症状のことです。
ほかにも稲妻が走っているように見える、雪のように見えるなど、見え方にも様々なパターンがあります。
硝子体の動きによって網膜に刺激が与えられると起こる症状で、頭を強くぶつけたときに光を感じる現象と似た原理で起こると考えられています。
主な原因は、加齢による後部硝子体剥離。
また、網膜裂孔や網膜剥離、強度近視、過度のストレス・疲労など、飛蚊症を引き起こすトラブルが原因になっていることもあります。
加齢が原因であれば心配ありませんが、飛蚊症と同じ硝子体や網膜に関連する病気にかかっている可能性もあるので、異変を感じたらすぐに治療を検討しましょう。
飛蚊症の治し方
飛蚊症は放置していても、消えるものではありません。
しかし、原因に合った適切な治療を受ければ、症状を緩和させることが可能です。
次は飛蚊症の治し方を原因別に紹介します。
生理的な原因の場合
生理的な原因による飛蚊症は、基本的に治療の必要はありません。
しかし、日常生活に支障をきたすほど症状が強い場合は「ビトレオライシス」というレーザー治療も受けられます。
この治療はレーザーを使って硝子体内の濁りを取ったり、浮遊物を蒸発させたりするもので、手術と比べると目に悪影響が出るリスクが少ないのが特徴。
1回15分〜20分の治療である程度の効果が期待でき、入院の必要や痛みなどもないため、忙しい社会人や学生でも気軽に受けられます。
しかし、保険の対象外になるケースが多く、費用は病院によっても異なりますが、片目で10万〜20万円、両目なら20万〜40万円ほどと高額。
もちろん診察や相談であれば保険の範囲内でできるので、飛蚊症を改善したい、治療が必要なのか知りたい方は、まずは眼科医に相談してみることが大切です。
病的な原因の場合
病的な原因による飛蚊症は病気に合った治療を進め、根本的な原因を解消するのが基本です。
網膜裂孔であればレーザーを使った治療が、網膜剥離や硝子体出血であれば硝子体手術などが一般的。
ぶどう膜炎や感染症では主に炎症を抑える薬や、菌を抑制する薬を使った投薬治療がメインです。
手遅れになってしまうと失明する可能性がある病気もあるので、病的飛蚊症の可能性があると感じたらすぐに眼科を受診しましょう。
飛蚊症の予防効果が期待できるルテインとは
ルテインとはβカロテンやリコピンなどが有名な、カロテノイドの1種です。
目の奥にある黄斑部と、レンズ部分の水晶体に存在する抗酸化物質で、ブルーライトから目を守ったり、有害な紫外線を分解したりする機能があるといわれています。
さらに、優れた抗酸化作用により活性酸素も減らしてくれるなど、飛蚊症の原因となるものから目を守る、重要な役割を担っているのです。
ルテインは食べ物やサプリを使って摂取した場合でも一定の効果が期待できるとされ、近年では飛蚊症の予防にも役立つ栄養素として注目されています。
特に予防効果を期待できるのは、ストレスやスマホの見すぎによる生理的飛蚊症の場合です。
抗炎症作用も併せ持っているため、硝子体混濁が出やすいぶどう膜炎の発症リスクを低減させる可能性があるともいわれています。
治療に役立つものではありませんが、飛蚊症を予防したいなら積極的に摂取するのがおすすめです。
飛蚊症予防にルテインを摂取してみよう
ルテインは、ほうれん草や小松菜、ケールなどに含まれる栄養素です。
しかし、飛蚊症予防時の推奨量の6mg〜10mgを毎日摂取するためには、ほうれん草で150g、小松菜で100g前後、ケール30g以上を食べ続ける必要があります。
さらに積極的に予防するなら、それぞれ倍以上の量が必要です。
週1日〜2日ほどであればクリアできそうですが、毎日となると難しく感じてしまう方も多いのではないでしょうか?
そこでおすすめなのが、手軽に推奨量以上のルテインを摂取できるセリー状サプリ「朝のルテイン」です。
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また、アンチエイジングや細胞の修復などの効果が期待できるプラセンタエキスが6000mg配合されているのもポイント。
飛蚊症を予防したいなら、ぜひサプリも取り入れて、効率良くルテインを摂取してみましょう。