代表的な目のトラブル「充血」。
最近感じているストレスが原因な気もするけれど、関連性が分からなくて原因が特定できない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、目の充血はストレスが原因なのか、関連する病気や対処法を紹介します。
ストレスが原因で起こる目の充血
ストレスが原因で起こる目の充血は、自律神経の乱れが影響しています。
自律神経とは興奮・緊張や呼吸、血圧などを司るもので、活動的な状態を生み出す交感神経、リラックス状態と関連のある副交感神経から成り立っています。
この交感神経と副交感神経は通常、絶妙なバランスを保っているもの。
しかし、過度なストレスを受け続けると、バランスが崩れてしまいます。
特に交感神経が優位になると身体の色々な部分に悪い影響が出ることも。
目も例外ではなく、自律神経が乱れることにより悪影響が生じ、充血をはじめとした色々な症状が現れてしまうのです。
眼精疲労
ストレスによる自律神経の乱れが原因で起こるのが「眼精疲労」です。
この眼精疲労は、交感神経が過剰に働くことが原因となっている「神経性」のもので、全身や目の周辺の筋肉が緊張状態になり、血流が悪くなることで起こるのが特徴。
疲労を回復させるために、多くの酸素や栄養を運ぼうとするため、通常より目の血流量が増えて血管が膨らみ、目の充血が起こるのです。
ドライアイ
目の乾きやゴロゴロ感、かすみ目、充血などを引き起こす「ドライアイ」も、ストレスによる自律神経の乱れが原因で起こります。
主に発症するのは涙の量が少ない「涙液減少型」のドライアイで、こちらも眼精疲労と同じく交感神経が優位になることが原因です。
ドライアイを放置していると、角膜に栄養や酸素を多く取り入れようと血管が拡張し、目の充血が起こります。
寝不足
「寝不足」もストレスによる自律神経の乱れで起こる症状の1つです。
他の症状と同様に交感神経が優位になると起こるもので、睡眠の質の低下や入眠障害により、十分に睡眠時間をとっても寝不足になってしまいます。
人によっては「夜中に何度も目覚める」「早く目覚める」などの症状が現れる「中途覚醒」が原因で寝不足になってしまう場合も。
充血と関連のあるドライアイや眼精疲労の原因となる可能性があるほか、ストレスを増加させる要因ともなるため注意が必要です。
緑内障
ストレスが原因で起こる自律神経の乱れは、緑内障の発症に影響を与える場合もあります。
これは交感神経が優位になることで起こる睡眠不足や血流悪化により、眼圧が上がりやすくなるため。
眼圧が上がり視神経に負担がかかることで、症状の悪化や目の充血などにつながる可能性も考えられるでしょう。
また、最近では眼圧の上昇を伴わず、視野の欠け以外の症状が少ないタイプの「正常眼圧緑内障」の発症とストレスの関連性も示唆されています。
ストレス以外が原因の目の充血
アレルギー・ウイルスによる病気、外的要因や老化による症状など、目の充血を引き起こす原因はたくさんあります。
なかには重症化するものや他人に感染する病気もあるため、ストレスと決めつけず冷静に判断することが重要です。
次は目の充血を引き起こす、ストレス以外の原因を紹介しましょう。
結膜炎
「結膜炎」とはまぶたの裏側や、白目を覆う「結膜」が炎症を起こす病気のこと。
ハウスダストや花粉などが原因の「アレルギー性」と、はやり目が有名な「ウイルス性」、細菌感染が原因の「細菌性」の3タイプがあります。
目の充血とも関連が深い病気で、ほかにも「涙があふれる(流涙)」や「目やにの増加」「異物感」などの症状を引き起こします。
角膜炎
黒目部分の表面にある「角膜」が炎症を起こした状態が「角膜炎」。
目の痛みや違和感、充血などを引き起こす病気で、片目だけに発症するケースが多いとされています。
こちらも複数のタイプがあり、コンタクトの不適切な使用やドライアイ、紫外線、異物などの影響によるものを「非感染性」。
ウイルスや細菌、カビへの感染が原因のものを「感染性」と呼びます。
ぶどう膜炎
「ぶどう膜炎」もストレス以外で目の充血を引き起こす原因となる病気です。
目の表面を覆う強膜の内側にある「脈絡膜」や、レンズ付近にある「毛様体」「虹彩」などが炎症を起こす病気で、主に病原菌への感染や免疫異常が原因と考えられています。
全体の30%~40%は原因が分からないなど、未解明な部分も多い炎症性の病気です。
結膜弛緩症
本来適度なゆるみのある結膜が、何らかの原因で酷くゆるんでしまった状態が「結膜弛緩症」。
異物感や不快感を覚えることが多い症状で、膜部分が強く刺激されると白目が出血で赤くなる結膜下出血や充血なども起こります。
原因ははっきりと分かっていませんが、コンタクトの使用や加齢などが影響していると考えられています。
翼状片
「翼状片」とは目頭にある結膜が、黒目に向かって三角形状に伸びた状態を指す言葉です。
「結膜弛緩症」と同じく原因は分かっていませんが、高齢者に多いため紫外線や加齢などが関与していると考えられています。
主な症状は「黒目部分の見た目が変わる」「異物感を感じる」「目が充血する」で、進行具合によっては視力低下や乱視を引き起こす場合もあるとされています。
コンタクトレンズ
コンタクトレンズの度数が合っていない、正しく使えていないことも、ストレス以外で目が充血する原因の1つ。
短期間であれば問題ないケースもありますが、長期的に合わないものを使ったり、不適切な使い方を続けたりするとドライアイや眼精疲労を発症する可能性もあります。
また、結膜炎や角膜炎といった、炎症を伴う病気にかかるリスクも上がるため、コンタクトの使用前には眼科医の指示や説明書を必ず確認し、正しく使うようにしましょう。
紫外線
目を充血させるストレス以外の原因が、強い紫外線です。
多少であれば害は少ないですが、強い紫外線を長時間浴びてしまうと、目を充血させてしまいます。
また、目の老化を促進する活性酸素が増える可能性もあるので、たかが紫外線と侮らず、普段からしっかりと対策しておきましょう。
充血以外のストレスによる目の病気
過剰なストレスや自律神経の乱れは充血だけでなく、色々な影響を目に与えます。
まぶたのトラブルに関連するものや視力低下など、引き起こす病気・症状もさまざま。
重篤な病気は少ないですが、放置すると症状が悪化するものもあるので早期発見、早期治療のためにも特徴を把握しておきましょう。
心因性視力障害
「心因性視力障害」は屈折の異常(強い近視や乱視など)、病気などがないのに視力が低下してしまう症状のこと。
倦怠感や頭痛などを伴う「心身症」に分類されるもので、原因ははっきりと分かってはいませんが、ストレスが影響していると考えられています。
小中学生が中心と若い世代に多いほか、症状は視力が0.5前後に低下する程度と軽いのも特徴です。
中心性漿液性脈絡網膜症
視覚情報の処理を担う網膜の一部「黄斑部」に、むくみが起きた状態が「中心性漿液性脈絡網膜症」。
こちらも原因は解明されていませんが、30代~50代の男性に多くみられ、ストレスと関連が深い症状といわれています。
主な症状は「視界の中心部が見えにくい」「視力低下」「視界の歪み」など。
重大な疾患ではありませんが日常生活や仕事に支障が出てしまい、さらなるストレスを感じてしまう人も多いようです。
眼瞼痙攣
眼瞼痙攣とは目の周りの筋肉が痙攣してしまい、まばたきが上手くできない、目が開けにくくなるなどの症状を引き起こす病気です。
こちらは主に神経や脳の異常に関する病気のため、ストレスが直接的な原因とはなりません。
しかし「睡眠導入薬や抗うつ薬などの副作用として現れる」「うつ病と似た症状が出る」などの特徴もあるため、多少の関連はあるといえるでしょう。
また、目の痙攣症状の代表的なものに「眼瞼ミオキミア」がありますが、こちらは主にストレスや疲れなどが原因で発症するといわれています。
高血圧性網膜症
高血圧により網膜が損傷してしまう病気が「高血圧性網膜症」です。
自覚症状は少ないものの、徐々に視力障害が現れるほか、症状が進行すると視神経と網膜がつながっている部分が腫れることもあります。
ストレスが直接的な原因となるものではありませんが、過度なストレスは血管や血圧に悪影響を及ぼすため、間接的に影響のある病気といえるでしょう。
ストレスや疲れによる目の充血の対処法
ストレスや疲れが原因の病気、充血を引き起こす病気の次は対処法をチェックしていきましょう。
どの方法もすぐに症状を改善するものではありませんが、自身の症状に合ったものを実践し、継続していけば改善や緩和などの効果も期待できます。
最後に、ストレスや疲れによる目の充血の対処法を紹介します。
目と体をしっかり休める
ストレスや疲れによる目の充血を軽減したいなら、目と体をしっかりと休めるのがおすすめです。
忙しい現代人には少し難しいですが、パソコン作業の合間に休憩をはさんだり、意識してデジタル機器を見ない日を作ったりするだけでも、十分に目を休められます。
また、普段から十分な睡眠を心がけるのもおすすめ。
最適な睡眠時間は人それぞれですが、7時間を目安に睡眠をとるよう心がければ自律神経のバランスを整えやすくなり、充血につながる症状の予防に役立つでしょう。
目を冷やす
充血により目に炎症が出ている場合には、目を冷やす「冷罨法(れいあんぽう)」も一定の効果が期待できます。
やり方はシンプルで、水で冷やしたあとに固く絞ったタオル、もしくは保冷剤をまいたタオルを使って、目やその周辺を数分ほど冷やすだけ。
簡単なケアですが炎症による血管の拡張を抑えてくれるので、症状の緩和も期待できます。
冷たすぎるものを長時間当てると凍傷のリスクもあり、慢性的な炎症の場合は逆効果になる場合もありますが、正しく実施すれば効果を感じやすいケア方法です。
目に良い栄養をとる
ストレスが原因の目の充血を対策・予防したい、体質を改善して目のトラブルを予防したいなら目に良い栄養をとるのもおすすめです。
薬のような即効性、治療効果はありませんが、継続することで目の健康の維持、状態の改善をサポートしてくれます。
特におすすめなのが緑黄色野菜に豊富なビタミンA、豆類・豚肉に豊富なビタミンB類、青魚に多く含まれるDHAなど。
これらの栄養を意識しつつバランスの良い食事を取れば目はもちろん、ストレスのケアにも役立つでしょう。
紫外線や老化に対するケアも一緒にしたいなら、ほうれん草やケールに含まれる抗酸化作用のある色素・ルテインをしっかり摂るのもおすすめです。
眼科へ行く
色々な対処法を試したけれど改善しない、充血以外に気になる症状がある場合は、できるだけ早めに眼科を受診しましょう。
眼科ではしっかりと検査・診察したうえで、症状に合った治療方法を選んでくれるので、症状の改善も期待できます。
生活習慣の改善や日頃のケアに役立つ、専門的なアドバイスがもらえるのもポイントです。
また、自律神経失調症の疑いがある、眠れない日が続くなどの症状がある場合は、心療内科の受診を検討してみても良いでしょう。
ストレスは目の充血につながる!疲れを溜めないようにしよう
身体の不調だけでなく、目の充血にもつながるストレス。
適度なストレスはパフォーマンスを向上させてくれますが、長期的に感じているのであれば身体や目を休める、食事を意識するなどのケアを実施して対処していきましょう。
また、忙しくて栄養を意識した食事が難しい、手軽に目に良い栄養を取りたいなら「朝のルテイン」もおすすめ。
こちらは美味しいゼリータイプのサプリで、高品質かつ吸収にも優れたルテインを、積極的な予防に必要な量よりも多い40mgも含有しています。
さらに、目の健康維持に役立つゼアキサンチン、アンチエイジング効果が期待できるプラセンタも配合。
手軽に目に良い栄養を摂取できる便利なサプリなので、ぜひ毎日の食生活に取り入れて、目の健康維持に役立ててみてはいかがでしょうか。