目の前に白いモヤが見える?白いもやもやが動く・視界がぼやける原因を解説

  • 2022年12月22日
  • 2024年2月15日
  • 飛蚊症

「最近視界に白いモヤが見える」「目の前がもやもやが動いている気がする」と不安に思っている人もいるかもしれません。

重大な病気が隠れている場合には早めの治療が大切です。

この記事では、目の前に白いモヤがかかる原因や治療法などについて解説します。

 

目の前の白いモヤが動く原因

目の前の白いモヤのようなものが動いたり、もやもやしたゴミのような浮遊物が見えたりする原因は何なのでしょうか?

白いモヤが見える原因の1つとして考えられるのが「飛蚊症(ひぶんしょう)」です。

まずはこの飛蚊症について、生理的と病的に分けて解説します。

 

生理的飛蚊症

目の前に白いモヤが見える原因は、生理的飛蚊症かもしれません。

生理的飛蚊症は、主に加齢によって発症します。

年齢を重ねることで硝子体と呼ばれるゼリー状の物質に濁りが生じてしまい、その濁りが影のように見えるのが飛蚊症の症状です

老化現象の1つですが、年齢が若くても強度の近視の人は生理的飛蚊症になることもあるでしょう。

また母胎内で眼球が作られる時に、硝子体内に血管のなごりが残ってしまうと、生まれつき飛蚊症の症状が出るケースも。

生理的飛蚊症の場合は特に治療の必要はなく、ほとんどの人が時間の経過とともに慣れていくので放置しても大丈夫でしょう

しかし、重い眼病が隠れている可能性も完全には否定できません。

生理的か病的かの判断は自分ではできないので、症状を自覚したら早めに眼科を受診しておくと安心です。

 

病的飛蚊症

病的飛蚊症とは、目の病気が原因で発症する飛蚊症のことです。

飛蚊症を初期症状とする病気には、網膜裂孔や網膜剥離、硝子体出血、ぶどう膜炎などがあります

これらの病気だった場合、症状を放置していると視力低下や視野欠損、失明などの可能性があるため、いずれも早期治療が肝心です。

「目の前の白いモヤのせいで、どんどん見えにくくなってきた」「浮遊物の数が増えたり、大きくなったりしている」という場合には、病気が進行している可能性があります。

できるだけ早く眼科医による検査を受けて、適切な治療を受けるようにしてください。

 

視界に白いモヤがかかる・ぼやける原因

視界に白いモヤがかかったり、目の前がぼやけて見えたりするのは、目の病気が原因かもしれません。

ここでは白いもやもやがかかったり、視界がぼやけたりする原因を、それぞれの治療方法とあわせて紹介します。

 

白内障

白内障とは、目の中でレンズのような役割を持つ水晶体が白く濁ってしまう病気です。

視界が白く濁ったりかすんで見えたりするほか、まぶしさを感じる、ピントが合わせにくく物が二重に見えるなどの症状が現れます。

これは紫外線などの影響で発生した活性酸素が、水晶体内のタンパク質を変性させて濁りが生じるのが主な原因です。

老化現象の1つでもあり、80歳以上になるとほとんどの人が症状を感じていると言われています。

加齢のほかに、アトピーや薬剤の副作用、糖尿病の合併症、目に強い圧迫や衝撃が加わったことなどが原因で、若い人が白内障になるケースもあるでしょう。

 

治療方法

軽度の白内障の場合は、薬の服用によって進行を抑えることができます。

ただし、低下してしまった視力や濁った水晶体の治療については、服薬のみで回復することはできません。

治すには手術を受ける必要があります。よほどのことがない限りは日帰りでの治療が可能です。

白内障手術ではまず角膜を切開して水晶体を超音波装置で細かく砕き、そして吸引除去を行ったあと人工の眼内レンズを挿入すれば手術完了です。

ほとんど痛みがないケースが多く、年間100万人以上もの人が受けています。

 

ぶどう膜炎

ぶどう膜炎は、眼球全体を覆うぶどう膜という組織が炎症を起こす病気です。

たくさんの血管が張り巡らされたぶどう膜に細菌が入り込むと、目の前に白いモヤが見えたり、痛みや充血が起こったりします。

片目または両目に出ることもあり、症状は良くなったり悪くなったりを繰り返すケースもあるでしょう。

原因となるのは細菌ウイルス真菌寄生虫などで、全身性の免疫疾患によって発症する人もいます。

 

治療方法

ぶどう膜炎の治療では、原因疾患の見極めが大切なポイントです。

原因疾患や体の状態に合わせて、点眼薬や薬による治療が行われます。

白内障や緑内障、黄斑浮腫、黄斑変性などの合併症を引き起こすことがあるので、早めに眼科を受診するようにしてください。

またぶどう膜炎は治療後も再発するケースがあるので、定期健診を受けることをおすすめします。

 

網膜剥離

網膜剥離も視界に白いモヤがかかる・ぼやける原因として考えられる眼病の一つで、眼球内の硝子体が変化して、網膜が分離することで生じる病気です。

硝子体がしぼんでしまうと、それに引っ張られるように網膜に穴があいてしまいます。

網膜にあいた穴に硝子体液が入ることで網膜の剥離が進み、放置していると網膜の視細胞が死滅して視力障害が残る可能性もあるでしょう。

中高年の人が発症した場合は、目の上から雨水のような黒いものが滴り落ちてくるように感じたり、カーテンのように部分的に視覚を遮っているように見えたりします。

若い人の場合は症状の進行が比較的ゆるやかなことが多いです。

目になんとなく違和感を覚えたら、網膜剥離の初期症状かもしれません。

 

治療方法

網膜剥離は、レーザー手術によって治療します。

網膜に穴があいている状態で、その周りに剥離している部分がない場合は、レーザー治療で網膜の接着力を増加させて病気の進行を予防できることも。

完全に網膜剥離が認められた場合は、手術によって眼球の外側から補強剤を当てたり、眼球内から硝子体を取り除き、網膜下液を吸引して網膜を元の位置に戻したりする処置が行われます。

手術方法はその人の年齢や進行状態から決定され、1週間~2週間ほどの入院期間が必要なケースが一般的です。

 

ドライアイ

目の前に白いモヤが見えるのは、ドライアイが原因の可能性もあります。

ドライアイとは、涙の量が少なくなったり、涙の質が変化して目の潤いを保つことが難しくなったりする病気です。

ドライアイになると、瞳の渇きやかすみ目、ゴロゴロとした異物感、視力低下、眼球の痛みを感じることも。

目の表面が乾燥して傷つきやすくなってしまうため、炎症を起こす可能性もあるでしょう。

ドライアイになる主な原因には、

  • 長時間過ごす場所の乾燥
  • まばたきの減少
  • 花粉症などのアレルギー
  • コンタクトレンズの使用
  • 加齢

などが挙げられます。

 

治療方法

ドライアイの治療としては、点眼薬が一般的です。

目に潤いをあたえるために涙と同じ浸透圧の人口涙液が使われるほか、眼球の表面をなめらかに覆う役割をもつムチンを生成する成分を含んだ点眼薬が使われることも。

日常生活では意識的にまばたきの回数を増やしたり、加湿器などで室内の湿度を保ったりすることが効果的と言われています。

点眼や環境改善でもあまり変化が見られない場合には、涙が鼻に流れ出る出口“涙点”をふさぐ治療「涙点閉鎖術」が行われることもあるでしょう。

 

眼精疲労

眼精疲労は、目を酷使したり乾燥した環境で長時間過ごしたりすることで起こります。

目に大きな負担がかかった状態となり、視界がもやもやとかすむ、眼球が痛むなどの症状が現れることも。

また首や肩の凝り、頭痛、倦怠感、吐き気、手足のしびれなどを引き起こしてしまう可能性もあるでしょう。

特に乾燥したオフィスで過ごしている人や、パソコンやスマホ画面を長時間見続けることが多い人に見られる症状です。

眼精疲労になる大きな原因には、まばたきの減少や、同じ画面を見続けることでピントを調節する筋肉が疲れてしまうことなどが挙げられます。

 

治療方法

眼精疲労の治療には、目の乾燥を防ぐ人工涙液などの点眼薬が使用されます。

日常生活では、意識的にまばたきの回数を増やす、加湿器を使うなどの対策を取り入れるのがおすすめです。

またパソコンやスマホを長時間使う場合は、こまめに休憩をとることも大切。

しばらく目を閉じて休ませたり、ホットアイマスクでまぶたを温めて血行を促したりするのも良いでしょう。

 

目の前の白いもやもやが増えた・濃くなったら

目の前の白いモヤが増えた、濃くなったなど、以下のように見え方に変化があった場合は早めに眼科を受診してください。

  • 目の前の白いモヤの数が増えた
  • 白いモヤが濃くなってきた
  • 視界が見えづらくなってきた
  • 視界の一部が欠けている
  • 白いもやもやが目の動きにあわせて動かない

生理的飛蚊症であれば、基本的に治療は必要ありません

しかし、生理的飛蚊症か病的飛蚊症かどうかをセルフチェックで判断することは不可能です。

以前に生理的飛蚊症と診断されていたとしても、見え方が変化している場合は、他の病気が隠れている可能性もあるでしょう。

他の病気が進行してしまうと、視力を失ったり、緊急手術が必要になったりするかもしれません。

白いもやもやが気になる人や飛蚊症の自覚がある人は、眼科で定期健診を受けることで視力低下や病気の進行にいち早く気付くことができるはずです

 

目の健康を保つためにできる予防法

目の前の白いモヤや、視界のぼやけに慣れることはあっても、自然に治すことはできません。

目の健康を保つためには、日常生活の中で予防を心がけることが大切です。

それでは最後に、目の健康のためにできる予防法をチェックしてみましょう。

 

紫外線を避ける

目の健康を保つためには、紫外線を避けることが大切です。

夏だけでなく、1年を通して外出時には帽子やサングラスを着用して、紫外線をカットしましょう

UVカット機能がついたコンタクトレンズもあるので、あわせて使用するのもおすすめです。

アウトドアなどで長時間屋外で活動する時はもちろん、散歩やちょっとしたお出かけの時でも、目に直接紫外線が入らないように対策を心掛けてくださいね。

 

抗酸化作用があるものを摂取する

抗酸化作用がある食材を摂ることで、目の疲れを和らげたり、涙の質を良くしたりする効果が期待できます。

抗酸化作用のある栄養素にはビタミンEやビタミンC、ポリフェノール類、カロテノイドなどが挙げられ、野菜やフルーツをバランスよく摂取するのがおすすめです

また目を保護する効果が期待できる栄養素として、緑黄色野菜に豊富に含まれているルテインも欠かせません。

毎日の食事で抗酸化作用があるものを食べることが望ましいとされていますが、難しい場合はサプリメントで補うのも1つの方法です。

 

禁煙をする

禁煙をすることは、目はもちろん体の健康を保つために重要です。

タバコを吸うと、体内でタンパク質変性のもとになる酸化ストレスが増大します。

またタバコに含まれているニコチンの影響で血流が悪くなったり、目への栄養不足や酸素不足を引き起こしたりする可能性も

網膜の視細胞や神経線維などがダメージを受けるだけでなく、白内障や加齢黄斑変性といった眼病になるリスクも上がります。

喫煙の習慣がある人は少しずつ本数を減らすなど、工夫しながら禁煙にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

 

目を休ませる

長時間パソコンやスマホを使ったあとは、目を休ませる習慣を身に付けましょう。

作業やゲームに集中していると、まばたきの回数が減ってしまいがち。

1時間に1回、しばらく目を閉じて休憩したり、意識的にまばたきをしたりすると、ドライアイや眼精疲労の予防として効果的です

「1時間ゲームをしたら10分休憩する」「寝る前にスマホを使わない」など、自分でルールを決めておくのも良いでしょう。

 

目の病気になる前にルテインやビタミンを摂取して予防しよう

「視界に白いモヤが見える」「糸くずや浮遊物のようなものが気になる」などの目の不調は、日常的にちょっとしたストレスを抱えることになります。

飛蚊症や目の病気の発症リスクを少しでも軽減させるためには、紫外線対策や禁煙、バランスの良い食生活を意識して予防することが大切です

目の健康を保つ栄養素として特に注目したいのが、緑黄色野菜に豊富に含まれているルテインやビタミン。

毎日の食事だけで1日分のルテインを摂取するのは大変かもしれませんが「朝のルテインなら美味しくルテインを補うことができます。

飛蚊症などの気になる症状を予防したいなら、ぜひ毎日の健康習慣にサプリメントを取り入れてみてはいかがでしょうか?