目の乾燥や不快感が気になって、1日に何度も目薬を差している方も多いのではないでしょうか?
しかし何度も使っていると、差しすぎていないか、悪影響はないかと不安になりますよね。
この記事では、目薬の差しすぎが良くない理由や正しい点眼方法を紹介します。
目薬を差しすぎると良くない理由
目薬は他の薬品よりも薬を使っている感覚が少なく、気軽に差してしまいがちです。
しかし、なかには差しすぎると目の健康に悪影響を及ぼす副作用があるものや、全身症状を悪化させるリスクがあるものも。
はじめに目薬を差しすぎると良くない理由を解説します。
喘息や心不全の悪化の可能性がある
緑内障向けの点眼薬として有名な「β遮断薬(医療用医薬品名:チモプトール・ミケランなど)」の差しすぎは、喘息や心不全を悪化させる可能性があります。
もちろん国に承認された点眼薬なので安全性は高く、医師が処方するときには喘息や心不全の有無などもしっかりと確認するので、正しく使えば悪化のリスクは低いです。
しかし差しすぎてしまうと、薬の成分が全身に回りやすくなり、無自覚に患っていた喘息や心不全が悪化する可能性もあるので注意しましょう。
他の目薬を使用する場合も、多量に点眼することで思わぬ副作用を招く可能性があるので、用法用量をしっかり守ることが大切です。
角膜が荒れやすくなる
角膜が荒れやすくなるのも、目薬の差しすぎによるデメリットです。
主に清涼化剤や防腐剤が含まれた市販の商品、防腐材入りの治療薬で発生します。
健康な人が適量を使用するのであれば問題ありませんが、差しすぎてしまうと目の保護機能の低下を招き、角膜が荒れやすくなります。
また、ドライアイで目の表面に傷がついている人が頻繁に目薬を使うと、症状や傷を悪化させてしまい角膜の病気にかかりやすくする可能性も。
目の疲れや乾きを感じるとつい差したくなってしまいますが、目の健康を悪化させる可能性もあるので、使用する量や点眼回数は必ず守りましょう。
目の表面の3層構造が崩れることがある
目の表面の3層構造が崩れることがあるのも、目薬を差しすぎが良くない理由の1つです。
目の表面には「水分の蒸発を防ぐ油層・目の表面に栄養を送ったり細菌の感染を予防したりする水層・涙を安定させるムチン層」の3つの層があります。
健康な状態であれば3つの層は適度なバランスを保っていますが、目薬を使いすぎると抗菌成分や油分が流れてしまい、3層構造が崩れる原因となります。
さらに、3層構造が崩れた状態が続くと目の乾きや異物感などにつながったり、目の表面に雑菌などがつきやすくなって病気にかかるリスクが高まったりするので注意しましょう。
目の不快感を改善するための点眼が、症状を悪化させるきっかけになってしまうのです。
目薬の正しい使い方
差しすぎによる副作用のリスクを減らして効果を発揮しやすくしたいなら、目薬の正しい使い方を覚えるのがおすすめです。
正しい使い方と聞くと難しく感じるかもしれませんが、簡単なコツや注意点を覚えるだけなので、ぜひ気軽に取り組んでみましょう。
次は、目薬の正しい使い方を紹介します。
差し方
目薬の差し方は、基本の点眼とげんこつ法の2種類が定番です。
どちらも薬液を直接目に入れるのは同じですが、点眼のしやすさや手の使い方が異なるので、好みの方法を選んで実践してみましょう。
基本の点眼
下まぶたを軽く引いてから差すのが、基本の点眼方法です。
まずは、手をせっけんと流水を使ってしっかり洗いましょう。
次に目薬を持っていない方の手で下まぶたを軽く引いて、目薬を差しやすい状態にしながら1滴ずつ確実に点眼していきます。
このとき、点眼容器の先が目の周辺やまつ毛に触れてしまうと、薬液に雑菌が繁殖する原因になるので、目薬と目の間に一定の距離を保って点眼しましょう。
失敗した場合は、目を閉じる前にすぐに拭き取って、なるべく薬が目に流れないようにするのがおすすめです。
正しく点眼できたらまぶたを閉じて、目から溢れた点眼液をティッシュやガーゼを使って拭き取りましょう。
最後に、まぶたを閉じた状態か、目頭を指で押さえた状態で1分〜5分ほどたてば、基本の点眼は完了です。
げんこつ法
げんこつ法は、基本の点眼が難しい方、点眼容器がまつ毛や目と接触するのが怖い方におすすめの方法です。
手順は基本の点眼と同じで、薬液を点眼するときの手の使い方のみ異なります。
まずは、容器を持たないほうの手をげんこつ(グー)の状態にして、目の少し下に当てます。
手を当てたらそのまま軽く下に引き、下まぶたをひっぱります。
最後に、容器を持った手を顔に当てたげんこつの上に置き、目薬を差せば完了です。
げんこつ法は容器を持つ手の安定性が高く、まつ毛や目と一定の距離を保ちやすいので、目薬の差し方に不安がある方はこちらの方法を試してみましょう。
回数・量
目薬は1日に4回、多くても5回〜6回に留めるのが基本です。
これ以上差してしまうと差しすぎになり、デメリットや副作用が発生するリスクが高まるので注意しましょう。
量に関しては、医師や薬剤師からの指示がない限り、基本的に1回につき1滴が適量です。
これは、大人が涙を溜め込める量が30マイクロミリリットル前後なのに対して、目薬の1滴も30〜50マイクロミリリットルとなるように作られているため。
1滴の量が涙を溜められる量よりも多いので、目に薬効成分を届け潤いをプラスする目的なら1滴で十分な効果を発揮します。
薬の種類や治療内容によって適正回数・量は変化しますが、薬剤師や眼科医の指示がないなら1滴を1日4回ほどに留めるのがおすすめです。
使用期限
目薬には、未開封時と開封後の2つの使用期限があります。
未開封時の使用期限はパッケージに記載されているので、簡単に確認できるでしょう。
もう一方の、開封後の使用期限はパッケージに記載されていないため、開封した日から計算することになります。
人工涙液や使い切りタイプのような防腐剤フリーのものなら開封から7日〜10日、防腐剤入り点眼薬なら2ヶ月〜3ヶ月ほどが目安です。
この期間を過ぎると、薬剤の劣化や雑菌の繁殖により目薬の効果が損なわれるため、未開封時の使用期限や残量に余裕があっても破棄することをおすすめします。
また直射日光や湿度・気温など、保存状態によっては早く劣化が進む場合もあるので、未開封でも沈殿物や濁りが発生しているなら、その点眼薬の使用は避けましょう。
目薬の差しすぎ以外の注意点
正しい使い方の次は、差しすぎ以外の注意点をチェックしていきましょう。
目薬には差し方や期限、量だけでなく、差す前に気をつけることや併用に関する注意点もたくさんあります。
次は、目薬の差しすぎ以外の注意点を紹介します。
複数の目薬を使う際は間隔をあける
複数の目薬を使う際は、最初の点眼から5分以上あけるようにしましょう。
点眼液は比較的早く吸収されますが、それでも5分程度の時間はかかります。
そのため、5分以内に次の目薬を差してしまうと、1回目の薬液が流され効果が十分に発揮されなくなってしまいます。
また、1回目の薬液が残った状態で点眼すると、2回目の薬液の濃度や量に悪影響が出る可能性もあるでしょう。
2種類以上を使うメリットをなくすばかりか治療の進みも遅れる可能性があるので、複数の目薬を使うなら間隔をあけてから差すのがおすすめです。
複数の目薬を使う場合は順番を守る
目薬はタイプによって差す順番が決まっています。
この順番は薬剤の効きに大きく影響するので、なるべく順番を守るようにしましょう。
基本は通常の水性タイプ→濁りのあるタイプ→体温や涙と反応してゲル化するタイプ→軟膏の順です。
似たタイプを複数使う場合は、刺激が強いものや良く効かせたいほうを後に点眼すると、期待する効能を得やすいとされています。
薬剤師や眼科医から指示があった場合は、指示通りの順番で点眼してください。
眼科の治療以外で複数タイプを併用することは少ないですが、処方されたときに役立つのでぜひ覚えておきましょう。
コンタクトレンズをしたまま目薬を差さない
多くの目薬は、コンタクトレンズを着用したままの使用には対応していません。
なぜならコンタクトレンズ(特にソフトタイプ)は、薬効成分や防腐剤を吸収しやすい構造を持っているから。
そのため着けたまま点眼すると、本来は吸収もしくは排泄されるはずの成分が目に残ったり、場合によってはレンズ本体や目に悪影響を与えたりする可能性もあります。
特に防腐剤が吸収されて長く残ってしまった場合は、差しすぎと同じような副作用が出るケースも考えられるので、目薬をする前には必ずコンタクトを外しましょう。
もちろんコンタクトを付けたまま使用できる製品もあるので、そのまま点眼したいならこのタイプを選ぶようにしてくださいね。
目薬を差しすぎずに涙の量を増やす方法
目薬の差しすぎをやめたいけれど、やめるとドライアイ特有の不快感や乾きが辛いという方も多いのではないでしょうか?
実は目薬以外にも、目の疲れや乾燥を軽くするケア方法はいくつかあります。
どれも手軽に実践できる方法なので、ぜひ毎日の生活に取り入れてみましょう。
意識してまばたきをする
手軽に涙を増やして目の乾きの対策をしたいなら、意識してまばたきをする習慣を取り入れましょう。
とても簡単な方法ですが、自然な涙の分泌を促進し、目の負担を軽減する効果が期待できます。
特にデスクワーク中のまばたき回数は普段の1/4まで減るとも言われているので、通常の倍以上の回数まばたきをするイメージがおすすめ。
余裕があるなら1時間に1回ほど「上を意識しながら少し強めに目を閉じる・下まぶたを意識しながら目をすぼめる運動」を取り入れると、より効果を感じられるでしょう。
集中しているとつい忘れてしまいますが、ドライアイの不快感の軽減や目の健康のためにも意識してまばたきを増やしてみてはいかがでしょうか。
マッサージをする
目のまわりのマッサージも、涙の量を増やす効果が期待できるケア方法です。
まず眉間の中心部分に両手の薬指と中指を置いて、小さな円を描くようにマッサージしていきます。
次に眉頭から眉尻に向かって、1部分3秒を目安に揉みほぐしていきましょう。
眉が終わったら「目尻とこめかみの間のくぼみ・目の下の骨の真ん中・目頭の骨のくぼみ」を順に揉んでいけば1セット完了です。
セットの目安は忙しいときなら数回、余裕があるなら1日10セット〜20セットを目安に行うと効果を実感しやすいでしょう。
まばたきよりも手間はかかりますが、目のまわりの血行が良くなり涙の量も増えやすくなるので、目の乾きや疲れに悩んでいる人に特におすすめの方法です。
まぶたを温める
目の乾きを感じている方におすすめなのが、まぶたを温めるケアです。
やり方はシンプルで、40度ほどに熱したホットタオルを10分ほど目の上に乗せるだけ。
より手軽に温めたいなら、市販のカイロタイプやレンジ式、電子タイプのアイマスクを使うのもおすすめです。
目のまわりの血行が良くなるのはもちろん、油分を分泌する器官の詰まりの軽減や涙の質を改善にも効果が期待できるので、目の乾きが気になる方はぜひ試してみましょう。
目の健康にいい食事を摂る
目薬の差しすぎにはもちろん注意が必要ですが、目のトラブルを対策したいなら目の健康にいい食事を心がけましょう。
おすすめは
- DHAやEPAが豊富な青魚
- ビタミン類が豊富な野菜
- 亜鉛を含む魚介類
- ビタミンB群やビタミンEが豊富なナッツ類
などを含んだバランスの良い食事。
1つの食材ばかり摂ると栄養が偏ってしまいますが、バランス良く取れば目の血行や粘膜の状態の改善に役立つでしょう。
また、抗酸化作用に優れたアスタキサンチンを含む甲殻類や紅鮭、ゼアキサンチンが豊富なスピルリナ、パプリカなども目の健康維持をサポートしてくれると言われています。
酸化ストレスによる目の老化や乾燥の対策をしたいなら、抗酸化物質のルテインを含むほうれん草やブロッコリーを積極的に摂ると良いでしょう。
特定の食材が苦手、全てをバランス良く摂るのが難しいなら、サプリメントを併用するのもおすすめです。
目薬は差しすぎに注意して正しく使おう
目薬の差しすぎは効果が上がるわけでもなく、ただ副作用のリスクを高めてしまう行為です。
気になる症状があるとつい差したくなってしまいますが、目の健康を守るためにも正しい使い方をするようにしましょう。
ドライアイや目の不快感、疲れなどを軽減したいなら、ビタミン類に加えて抗酸化作用の強いルテインやゼアキサンチンを摂るのがおすすめです。
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十分量と言われる15mg〜20mgよりも多い40mgが配合されているので、野菜が不足しがちな方でも効率よくルテインを摂取できるでしょう。
さらに、抗酸化作用に優れたゼアキサンチンを2.4mg以上含有しているのもポイント。
目の健康を維持して健やかな毎日を送りたい方は、ぜひ毎日の食生活にこのサプリを加えてみてはいかがでしょうか?