飛蚊症(ひぶんしょう)は目の病気のサイン?チェック方法や検査・治療を解説

  • 2022年10月6日
  • 2024年2月15日
  • 飛蚊症

異物が視界に写ってしまう「飛蚊症」

気になる症状があるけれど、特徴やチェック方法を知らないので判別できないという人も多いのではないでしょうか。

この記事では、飛蚊症の特徴やチェック方法、検査・治療についてを紹介します

 

飛蚊症(ひぶんしょう)とは?

「飛蚊症(ひぶんしょう)」とは、明るいところや白いものを見たとき、目を細めたときに、糸くずや虫のような浮遊物が見えてしまう症状です。

視線を動かすとわずかに遅れて付いてくるのが特徴で、目の大部分を占める「硝子体」が濁ること(硝子体混濁)が関係しているとされています。

基本的に生理的な要因が引き金となって発症するものなので、症状が出たからといって過度に不安がる必要はありません。

しかし、急に浮遊物が増えた、視界の歪みや欠け、痛みなどの症状が同時に出た場合は、早急に治療しなければならない病気が原因の可能性があります。

そのため、ただの飛蚊症と侮らずに、目の異変を感じたらすぐに眼科を受診しましょう。

 

目の病気が原因の飛蚊症

飛蚊症を引き起こす、代表的な目の病気がこちらです。

  • 網膜剥離
  • 硝子体出血
  • 後部硝子体剥離
  • 強度近視
  • 感染症
  • ぶどう膜炎

「網膜剥離」は目を覆う網膜が硝子体から剥がれてしまう病気で、浮遊物が見えるほか視力低下や視野の欠けなどの症状が出ます。

「後部硝子体剥離」は網膜剥離と同じく、目の奥の網膜が硝子体から剥がれる病気。

こちらは他の病気を引き起こすリスクがあるものの、加齢による生理的要因に近い病気なので、定期的に眼科を受診していれば大きな病気のリスクは避けられるでしょう。

硝子体内で出血が起こる病気が「硝子体出血」で、視界に墨汁のような液状のものが見えるのが特徴です。

「強度近視」は字の通り特に強い近視のことで、目の形が楕円形に変形し、硝子体と網膜に関連する病気を引き起こしやすい状態といわれています。

細菌やウイルスなどが原因の病気が「感染症」と「ぶどう膜炎」で、炎症による硝子体混濁や目の痛み、充血などを引き起こします。

後部硝子体剥離や硝子体出血、強度近視はリスクが低いといわれていますが、その他の病気は失明のリスクがあるので、違和感を覚えたらすぐに受診するのがおすすめです

 

生理的な原因の飛蚊症

飛蚊症の多くは、生理的な原因によるものです。

特に多いといわれているのが、加齢による目の老化

歳を重ねると多くの人が硝子体と網膜の間に液体が溜まったり、硝子体が濁りやすくなったりするため、浮遊物も見えやすくなります。

また、過度のストレスや紫外線によって発生した活性酸素により硝子体が濁り、浮遊物が見えてしまうといったケースも。

どの要因も生理的な自然現象なので、生活に支障が出ていなかったり、他の症状がなかったりする場合は、むやみに心配する必要はないでしょう

 

生まれつきの飛蚊症

硝子体内の血管が残っていることにより発症するのが、生まれつきの飛蚊症です。

本来は生まれる前に全て消えるものですが、生まれた後も残ってしまうと浮遊物として視界に写ってしまいます。

特徴は、若い人や健康な人でも飛蚊症を感じてしまうこと。

そのため、10代の時期から飛蚊症を感じている場合や、定期検診で異常がない20代の若い方は、こちらのタイプである可能性が高いといえるでしょう

体調や病気、加齢などによるものではないため、症状がひどくない場合はそのまま放置しても大丈夫なケースが多いです。

 

飛蚊症の見え方をチェックするには?

飛蚊症の原因を把握したら、次は簡単なセルフチェック方法を試してみましょう。

簡易的なチェックのため正確性はやや劣りますが、浮遊物の有無だけであれば十分に確認できます。

また、目の病気があるかを一緒にチェックできるので、眼科に行くべきか迷っている方にもおすすめです。

次は、飛蚊症の見え方から、硝子体の濁りに関連する病気までを簡易的にチェックする方法を紹介します。

 

飛蚊症の症状でチェック

手軽に症状の有無をチェックしたいなら、飛蚊症特有の見え方と照らし合わせるのがおすすめです。

代表的な浮遊物の見え方がこちら。

  • アメーバ状
  • ドット状
  • 糸くず状
  • リング状
  • 虫状

白い壁紙や紙、青空などを見たときにこれらの形の浮遊物が視界に写り込んだ場合は、飛蚊症の可能性があります。

併せて、目を動かすとゆらゆらと動きながら目の動きを追ってくるかチェックすると、より正確です。

また、以下のような症状を感じている場合は要注意。

  • 目の動きと浮遊物の動きが完全に連動している
  • 黒い点や浮遊物の量が増えてきた
  • 暗い場所で光を感じる
  • 視野の一部が欠けている

この場合は、目の病気が原因で飛蚊症になっている可能性があるので、次に紹介する「アムスラーチャート」を使ったチェックや眼科での検査を利用しましょう。

 

アムスラーチャートでチェック

「アムスラーチャート」とは網膜剥離をはじめとする、目の病気の簡易検査に使われるものです。

以下の手順でチェックしてみましょう。

  1. まず片目を閉じ、30cmほど離れた位置から中央の点を見つめます。
  2. 中央の点を見たら「線が歪んで見える」「一部が黒くなっている」「点の周囲が不鮮明」などの症状があるかチェックしましょう。
  3. もう片方の目も同様にチェックしたら、アムスラーチャートを使ったチェックは完了です。

中央の点を見たときに先ほど紹介した症状がなければ、生理的な飛蚊症の可能性が高いでしょう。

逆に症状を感じた場合は目の病気の可能性があるので、すぐに眼科を受診するのがおすすめです。

あくまで簡易的な検査なので、チェック時に異常がなくても病気特有の症状が出ている、浮遊物が増えたなどの自覚症状がある場合は、必ず眼科を受診しましょう。

 

飛蚊症の検査方法は?

飛蚊症の検査は「眼底検査」という、検査方法を使うのが基本です。

眼底検査とは特殊な目薬や部屋の暗さを使って瞳孔を広げ、検眼鏡という機器を使って網膜の状態を調べる検査方法。

この検査をすれば、飛蚊症が病的な原因のものか、生理的なものか判別できます。

また、網膜剥離や硝子体出血といった飛蚊症を引き起こす病気以外にも、緑内障や黄斑変性症などの目の病気の有無を調べられるのもポイントです。

数分ほどで終了するほか、痛みもない検査なので目に違和感を覚えている方は受けてみてはいかがでしょうか

 

飛蚊症の治療方法は?

チェック方法や検査方法の次は、飛蚊症の治療方法を確認していきましょう。

治療方法といっても眼科医の判断や患者の希望、原因などによっても変化します。

病気が原因の場合は医師の判断で進められますが、生理的要因のものは複数の治療法があるので、ベストなものを選ぶためにそれぞれの内容を知っておくのがおすすめです。

 

経過観察

生まれつき・生理的要因による飛蚊症で、特に問題がない場合は経過観察が基本です。

時間と共に浮遊物が消えることはありませんが、基本的に治療の必要はなく慣れである程度解決できるので、多くの病院では経過観察を勧めています。

加齢性の網膜の剥がれや強度近視など、他の病気が起こりやすい状態と診断された場合は、目の病気にかかるリスクがやや高いので、定期的に眼科を受診しましょう。

 

レーザー治療

比較的低リスクで飛蚊症を治療できるのが、レーザーです。

浮遊物の原因となる物質に特殊なレーザーを照射し分散させる治療法で、痛みを伴わずに一定の効果が期待できるのが特徴。

治療の時間も短いので、忙しい社会人や学生でも受けやすいでしょう。

しかし、保険が適用にならないケースが多く、病院によっても異なりますが、治療費は10万円〜40万円ほどと高いです。

さらに複数回受けた場合には、回数分の費用がかかってしまいます。

そのため飛蚊症が日常生活に支障があるほど酷く、予算にも余裕がある方向けの方法ともいえるでしょう。

 

硝子体手術

硝子体手術とは、硝子体の濁りを直接除去する治療方法です。

外科的な手術に分類されるもので、飛蚊症の場合は局所麻酔を使った後に、専用器具を眼内に挿入し部分的に硝子体を切除します。

浮遊物の原因を直接除去するため安定した効果が期待できますが、網膜剥離や白内障、感染症にかかるリスクがある、小さな混濁が残る場合があるなどデメリットも多いです。

また、若い世代への手術には目の調節機能を損なうリスクもあるので、多くの病院では若い世代への手術は勧めていません。

手術の費用も50万円以上と高額なので、基本的にほかの治療法を選ぶ方が多いでしょう。

 

原因となる病気の治療

病気が原因の病的飛蚊症の場合は、原因となる病気の治療を進めるのが基本です。

網膜剥離の初期や網膜裂孔であればレーザー、症状が進んだ網膜剥離の場合は手術で治療します。

硝子体出血は時間と共に改善するため経過観察の場合が多いですが、1ヶ月以上血液が残り続けている場合は硝子体手術。

炎症を伴うぶどう膜炎や感染症は、点眼薬や注射、薬などを使って治療します。

直接的に飛蚊症を治療するわけではありませんが、原因となる病気を治すことで改善を期待できるので、病気の可能性があるならすぐに眼科を受診しましょう

 

飛蚊症を改善する食べ物やサプリメントはある?

飛蚊症そのものを改善する食べ物や、サプリメントはありません。

しかし、予防効果を期待できるもの、目の機能をサポートして予防につなげられる可能性があるものは、いくつか存在します

もちろん医薬品や医療のような効果はありませんが、ある程度の効果は期待できるので、気になる方は毎日の食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

次は飛蚊症の予防効果が期待できる、食べ物やサプリメントを紹介します。

 

飛蚊症におすすめな食べ物

飛蚊症改善に効果が期待できると、近年話題になっているのがパイナップルです。

台湾の研究チームが発表した論文によると、3ヶ月間昼食にパイナップルを100g〜300g食べ続けたグループに改善の傾向が見られたそう。

また、量が増えるほどに効果が現れやすいという傾向があり、100g食べたグループよりも300g食べたグループのほうが効果を感じた人が多いという結果になりました。

この結果を生み出す要因となったと考えられる物質が、パイナップルに含まれる「ブロメライン」

ブロメラインにはタンパク質を分解する効果があり、この分解効果が目の濁りの解消に役立ったと論文で述べられています。

しかし、こちらは試験的な調査なので科学的な根拠としては弱く、詳しい原理も分かっていないため確実に改善できるかは不明です。

もちろんパイナップルを食べるだけで、効果を実感できる可能性もあるので、気になる人は試してみてはいかがでしょうか?

参考元:Pharmacologic vitreolysis of vitreous floaters by 3-month pineapple supplement in Taiwan

 

飛蚊症におすすめなサプリメント

飛蚊症の予防が期待できる、おすすめのサプリメントが「ルテイン」です。

ルテインとは、ほうれん草やモロヘイヤ、小松菜、ケールなどに含まれるカロテノイドの1種で強い抗酸化作用を持っているのが特徴。

目の中の水晶体や黄斑部にも存在する物質で、眼内ではブルーライトや紫外線から細胞を守り、活性酸素を減らす役割を担っています。

食べて摂取しても一定の効果が期待できるので、活性酸素が原因の生理的飛蚊症の予防に役立つ栄養素として注目されている栄養素です

しかし、野菜が不足しがちな現代人の食生活では、積極的な予防に必要な量を毎日摂取するのは簡単ではありません。忙しい社会人や学生なら尚更でしょう。

そんな忙しい方におすすめなのが、必要な量がしっかりと含まれたルテインのサプリメントです。

サプリメントを使えば野菜不足が気になる方でも、手軽にルテインを摂取できます。

飛蚊症を予防したい、目の健康維持に役立てたいなら、ぜひサプリを活用して効果的にルテインを摂ってみてはいかがでしょうか

ただし、同じルテインでも原料の品質や安全性に差があるので、しっかり確認しましょう。

 

その他の飛蚊症予防や対策は?

食べ物やサプリメント以外の予防法や対策を知って、飛蚊症を予防したいという人も多いでしょう。

完全に予防するのは難しいですが、いくつかの予防法を実践すれば、発症リスクを抑えることも可能です。

最後に飛蚊症の予防法や、目の健康を維持するコツを紹介します。

 

目をしっかり休ませる

眼精疲労は飛蚊症の要因になるだけでなく、目の健康を損ねる原因にもなるものです。

目の健康を守り快適に毎日を過ごしたいなら、目をしっかり休ませる時間を作ることを習慣にしましょう。

特におすすめなのが、就寝の2時間ほど前からパソコンやスマホのディスプレイ、テレビなどを見ないようにすること

シンプルな方法ですが、目を酷使する時間が減り、疲れ目の解消に役立つ睡眠の質も向上させられるでしょう。

また、ディスプレイを見て作業することが多いなら、1時間ごとに軽い休憩を挟んだり、適度に身体を動かしたりするのもおすすめです。

 

紫外線を避ける

飛蚊症の予防には、目の紫外線対策をするのもおすすめです。

紫外線対策をするだけでも活性酸素が発生する量を減らすことができるので、活性酸素が原因となる飛蚊症を予防しやすくなります。

やり方は、UVカット効果のあるサングラスやメガネを使って目を保護するだけ

UVカット率が高く、周囲の状況を確認しやすい色合いのものを使うと、効果的に紫外線を避けられるでしょう。

アウトドアが好きな方や、日差しの強い場所で仕事をする方は目を守るためにも導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

飛蚊症の予防ならルテインの摂取がおすすめ!

視界にアメーバ状のものや、虫状の浮遊物が写り込んでしまう飛蚊症。

病気が原因や先天性のもの、加齢だけでなく、過度のストレスや紫外線といった生理的な要因でも起こってしまう症状です。

できるだけ飛蚊症になるリスクを減らしたいなら、ルテインが手軽に摂取できるゼリータイプのサプリ朝のルテインがおすすめ。

ルテインの含有量が1日分で40mgと、積極的な予防に必要な量20mgよりも多く含まれているため、手軽にルテイン不足を解消できるでしょう。

加えて、高品質で体内に吸収されやすいルテインを使用しているので、安心して召し上がれます。

おいしいマンゴー風味仕立てなので、続けやすいのもポイントです。

飛蚊症を予防して毎日を快適に過ごしたい方は、ぜひサプリをプラスして、効果的にルテインを摂取してみてはいかがでしょうか