加齢黄斑変性は治る?予防はルテイン・抗酸化ビタミンのサプリメントで!



加齢黄斑変性は、年齢を重ねるにつれ発症リスクが高まる目の病気です。

進行すると視力低下、社会的失明などの可能性があり、タイプによっては改善が見込めない場合もあります。

欧米では成人において失明原因の1位、日本では4位というデータがあります。そのため、まずは加齢黄斑変性にならないように予防することが重要です。

このページで加齢黄斑変性の予防法と、予防におすすめの栄養素を紹介します

バランスの取れた食生活はもちろん大切ですが、必要に応じてルテイン摂取のためのサプリメントも活用し、目の健康を保ちましょう。

 

加齢黄斑変性はこんな病気

黄斑は目の網膜の中央部にある組織で、物や文字の認識、色の識別などに重要な機能を果たしています。黄斑が光を感受し、その情報が視神経を通して脳に伝えられると、初めて「物が見える」という状態になります。

黄斑が歳を重ねるにつれダメージを受け、目が見えにくくなる、視力が低下するなどの症状が現れるのが、加齢黄斑変性(AMD:Age−Related Macular Degeneration)という疾患です。裸眼視力が低下しても、矯正視力(メガネがコンタクトレンズで矯正した視力)が良いのであれば、近視や老眼などが考えられます。

しかし、矯正視力でも悪い場合は、加齢黄斑変性を含め何らかの目の病気を抱えている可能性があります。

AMD発症によって、物の見え方は通常と変わります。代表的な症状は以下です。

  • 変視症(視野の中心が波を打ったように歪んで見える)
  • 中心暗点(視野の中心が黒く見える。飛蚊症のように感じることもある)
  • 視力の低下
  • 色覚の異常

加齢黄斑変性は、最悪の場合社会的失明に至る病気です

その名の通り、加齢が発症要因のひとつなので、「自分は大丈夫」と思わずに、40歳を過ぎたら定期的に病院で眼科検診を受けるようにしましょう。

 

↓↓加齢黄斑変性の自己チェック法はこちら↓↓

加齢黄斑変性を早期発見!気になる症状と簡単にできる自己チェック法

 

加齢黄斑変性は治る?

加齢黄斑変性の中でも進行性AMD(遅発性AMD)と呼ばれるものは、その発症の仕方により2つのタイプに分けられます。

病気の型によっては、有効な治療法が確立されていないものもあります。

 

萎縮型(いしゅくがた)は治らない

萎縮型(いしゅくがた)は、網膜色素上皮という組織とブルッフ膜の間に沈着物が蓄積し、それが大きくなって長期間存在すると、網膜色素上皮が徐々に萎縮(「地図状萎縮」ともいう)して、黄斑にダメージを与えるタイプです。病状の進行は遅く、徐々に視力が低下していきます

残念ながら、現時点で萎縮型の加齢黄斑変性の有効な治療法はありません。萎縮型の加齢黄斑変性は治せないので、予防がとても重要です。また、なかには滲出型に移行するケースもあるので、定期的に検査した方がよいでしょう。

 

滲出型(しんしゅつがた)は治療により改善する可能性がある

一方で、滲出型(しんしゅつがた)というタイプは、治療により症状の改善が見込めます

滲出型は、網膜色素上皮細胞の下にある脈絡膜という部分に新生血管ができ、黄斑が圧迫、障害されるタイプです。そのため血管新生AMDともいえます。

脈絡膜新生血管は非常にもろく、体液がたまって浮腫となり、やがて血管が破れ滲出した体液が黄斑にダメージを与えます。

日本人は萎縮型よりも滲出型の方が患者数が多いと報告されています。滲出型は病気の進行が早く、治療しないと数か月で急に視力が低下します

視力が落ちると視覚から得る情報量が減り、日常生活にも支障が出て、外から刺激を受けることも少なくなるため、高齢者なら認知症を発症する原因にもなり得るのです。

滲出型の加齢黄斑変性においては、予防ならびに早期発見・早期治療が重要です。

見え方に異変を感じたら早急に医師の診断を受けましょう。

 

目の病気「加齢黄斑変性」の初期症状は?早期発見のための3分間チェック法

 

加齢黄斑変性の滲出型(しんしゅつがた)の治療法

滲出型の加齢黄斑変性の場合、以前は新生血管抜去術という治療法がとられていたこともありました。しかし、エビデンスをみても満足のいくものではありませんでした。現在は眼科医によって以下のような治療が行われています。

 

抗血管新生療法

滲出型加齢黄斑変性の原因となる新生血管は、血管内皮増殖因子(VEGF)というタンパク質によって成長が活性化されます。このVEGFを抑える薬剤を眼球内の硝子体に直接注射し、新生血管を退縮させる治療法です。「抗VEGF療法」ともいいます。

抗血管新生療法は、比較的安全性が高く精神的負担も少ないため、滲出型加齢黄斑変性の治療の第一選択となっています。

治療前に自宅で感染予防の点眼薬をさします。最初は1ヵ月ごとに連続3回注射し、そのあとは定期的に検査を行って、状態がよければ経過観察、再発していれば注射する、といった流れで治療を継続します。

 

光線力学的療法

新生血管に集まる性質がある特殊な薬剤を腕から注射し、レーザーを当てて新生血管を破壊する治療法です

新生血管以外にはレーザー治療の影響がないので、効率よく除去できます。抗血管新生療法の補助的な治療として、併用して行われます。

 

レーザー光凝固術

黄斑の中心部以外に新生血管がある患者を対象に行われるのがレーザーによる光凝固す。

レーザーを照射した部位は視細胞がダメージを受けて見えなくなりますが、網膜の中心まで新生血管が伸びるのは防ぐため、視力低下を抑えるという点で確実性はあります。

 

ちなみに、黄斑上膜または内境界膜剥離術といった硝子体手術は科学的根拠のある標準治療ではないことを覚えておきましょう。

加齢黄斑変性の効果的な予防法

早期発見・早期治療とならんで大切なのが、加齢黄斑変性の予防的治療です。

加齢黄斑変性の発症にはいくつかの身近な要因が関連しています。原因となる生活習慣を避けることが、加齢黄斑変性を予防する第一歩になります

日常生活で以下の予防法を実践しましょう。

 

紫外線を避ける

紫外線は、網膜にダメージを与えて加齢黄斑変性を引き起こす要因のひとつです。

白内障を進行させることでも知られています。

特に日差しが強い日に外出する、長時間屋外にいるなどの場合は、進行予防のためにもサングラスをかけて紫外線から目を守りましょう。

また、PCやスマホから発されるブルーライトなどの光ストレスも網膜に悪影響を与えるとされているので、長時間見続けることのないよう心がけましょう。

禁煙する

加齢黄斑変性の3大要因と言われているのが、加齢、遺伝、そして喫煙です。

喫煙は、体内の酸化ストレスを抑制する物質を阻害し、体にダメージを与えます。それが網膜に及ぶと、加齢黄斑変性になると考えられています。

加齢黄斑変性予防のためにできる生活習慣の改善策のうち、もっとも重要なのが禁煙です

喫煙はさまざまな病気の原因になり、百害あって一利なしです。喫煙者の方は、少しずつ本数を減らす、禁煙外来に行くなどして対策しましょう。

 

運動をする

運動は、体だけではなく目の健康を守るためにも効果的です。

適度に運動すると、筋肉が発達して血流が促進され、網膜付近の細胞にも必要な栄養素がスムーズに届くようになります。運動不足だと感じている人は、毎日の散歩からでもいいので、適度な運動を続けることを心がけましょう。

毎日のちょっとした運動が加齢黄斑変性、さらには糖尿病などの生活習慣の予防にもつながるので、無理のない範囲からはじめましょう

 

加齢黄斑変性の予防におすすめのサプリメント

加齢黄斑変性の予防には、バランスの取れた食生活が欠かせません。

しかし、食事だけで必要な栄養素を補うことが難しい場合は、予防に効果的な成分を含むサプリメントの利用がおすすめです。サプリメントの服用は即効性はありませんが、毎日継続することで目の健康維持に役立てることができます。

アメリカで実施されたAREDS(エイレッズ:Age Related Eye Disease Study)およびAREDSⅡという大規模臨床調査の結果、加齢黄斑変性の発症抑制に効果的な成分が報告されました。

下記の成分を組み合わせて配合したサプリメントに有効性が期待できます。

 

ビタミン

健康情報に必ずといっていいほど登場するのがビタミン。なかでも、特に加齢黄斑変性の予防に効果的とされているのがビタミンCビタミンEです。

この2つのビタミンには抗酸化作用があり、網膜の細胞を活性酸素・酸化ストレスから守る作用があります

ビタミンCを多く含む食材には、パプリカ、アセロラ、ブロッコリーなどがあります。ただしビタミンCは水溶性で調理の過程で失われやすいので、きちんとビタミンC摂取をするために調理方法には注意しましょう

ビタミンEを多く含むのは、アーモンド、モロヘイヤ、西洋かぼちゃなどです。

ほか、ビタミンAに変換されるβ-カロテンにも予防効果があるといわれています。β-カロテンは春菊やにんじんなどに多く含まれます。

予防とは違いますが、眼精疲労の改善に作用するといわれているビタミンB群も摂取しておいて損はありません。

ビタミン摂取のためにさまざまな食材を毎日の食事に取り入れるのは大変です。

サポート的な位置づけでマルチビタミンのサプリメントの機能性に頼るのはひとつの手です。

ミネラル

2001年に米国で実施された大規模臨床試験・AREDSにおいて、抗酸化ビタミンとともに抗酸化酵素を構成する亜鉛と銅といったミネラルを摂取すると、加齢黄斑変性の進行リスクが抑制されると報告されました

ただし、亜鉛と銅は過剰摂取による影響もあるので、摂取量には注意しましょう。厚生労働省では、18歳以上の男女における耐容上限量(健康被害が生じるリスクがないとされる習慣的な摂取の上限量)を、亜鉛は年齢・性別に応じて35~45mg / 日銅は10mg / 日と定めています。

亜鉛は、魚介類、肉類、野菜類などさまざまな食品から摂取できますが、特に含有量が多いのは、牡蠣や豚レバーです。

銅も幅広い食品から摂れる栄養素ですが、特に多く含まれるのは、牛レバー、イカ、ピュアココアなどです。

 

ゼアキサンチン

ゼアキサンチンは緑黄色野菜に含まれる色素であるカロテノイドのひとつで、黄斑色素として視細胞を保護する働きや抗酸化作用があります

2013年に実施されたAREDSⅡにおいても、ゼアキサンチンとルテインを含むサプリメントの服用が、加齢黄斑変性の進行抑制をするとの研究成果報告されています

ゼアキサンチンを多く含むのは、パプリカ、トウモロコシ、柿などの食材です。

 

ルテイン

ルテインは、ゼアキサンチンと同じくカロテノイドの一種で、水晶体や黄斑部に多く存在します。ゼアキサンチンと共に、黄斑色素量を維持する作用メカニズムを持ち、光刺激から目を守るといわれています。海外では、ルテインを含め抗酸化サプリメントの加齢黄斑変性に対する有用性が認められ、標準的治療のひとつとして位置づけている国もあります

日本眼科学会の加齢黄斑変性の治療指針においても、AREDSの結果について言及されています。

ルテインは、ほうれん草ブロッコリーなどに多く含まれています。

 

加齢黄斑変性の予防は手軽なサプリメントからはじめましょう

加齢黄斑変性の予防には、禁煙や運動、バランスの取れた食生活など、生活習慣の見直しが大切です。

食事だけで栄養素をカバーできないときは、加齢黄斑変性の予防につながる成分を含んだサプリメントを取り入れてみてはいかがでしょうか

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定期購入なら通常価格よりもお得なうえ配送料無料で利用できます。レビューも参考に検討してみてはいかがでしょうか。

まずは、目の健康を守る生活習慣をはじめましょう。

 

加齢黄斑変性の見え方とは?早期発見のための自己チェック方法と眼科治療



加齢黄斑変性は、年齢が上がるとともに罹患するリスクが高くなる、男性に多い目の病気です。

加齢黄斑変性を発症すると、ものの見え方が変わる、視力低下などの症状が現れ、放置すると最悪の場合、社会的失明状態になる可能性もあります。

加齢黄斑変性の進行を抑えるためには、早期発見がとても重要です。

この記事では、加齢黄斑変性を早期発見するためのセルフチェック法と、眼科での治療法に関する情報を解説します

 

目の病気「加齢黄斑変性」の発症原因

加齢黄斑変性は、網膜の中心部に位置する黄斑が、加齢とともにダメージを受けることで発症します

目に光が入ると、その光は水晶体で屈折し、硝子体という部分を通って、眼球の奥にある網膜に到達。この刺激が視神経の働きによって脳で認識され、はじめて「ものが見える」状態になります。

黄斑は網膜の中心部にあります。ものの色や形を識別する視細胞が集まる黄斑の中央にある中心窩(ちゅうしんか)は、色や文字の識別に重要な役割を果たしています

この中心窩がある黄斑が障害を受けると、ものが見えにくくなる、視力が低下するなどの症状が現れます。

 

加齢黄斑変性のタイプは2種類

加齢黄斑変性の大もとの原因は、加齢によって黄斑部網膜の老廃物処理力が衰退、黄斑部に老廃物が溜まり、網膜の細胞などに異変が起こることだといわれています。加齢黄斑変性を発症する前の前駆病変の時点では視界のゆがみを感じることがあります。そこから発症のメカニズムが異なる2種類のタイプに分かれるので詳しくみていきましょう

 

萎縮型(いしゅくがた)

網膜の組織が徐々に萎縮し、黄斑の機能に異常が発生します。

進行は比較的おだやかで、少しずつ視力が低下していくのが特徴です。現時点で治療法はありません。

 

滲出型(しんしゅつがた)

脈絡膜新生血管という異常血管が生成され、それが網膜と網膜色素上皮細胞の間に侵入することによって網膜が圧迫され、ダメージを受けます。新生血管は細くもろいため、体液がたまったり、活動性が高くなると血管が破れて網膜下出血を起こしたりします。(黄斑下出血や硝子体出血の原因になるケースもあります。その場合は、網膜硝子体手術や硝子体ガス注入術、硝子体手術が必要となります)

それによって、新生血管から漏出した血液などの体液が黄斑に障害を与えるケースもあるのが、滲出型(しんしゅつがた)です。

診断方法には蛍光眼底造影検査がありますが、蛍光色素を含む造影剤を使用する必要があります。一方、光干渉断層計を使えば造影剤の使用なしに網膜の断面を詳しく検査できます。滲出型の場合、脈絡膜新生血管や網膜のむくみ、網膜剥離などの病変を網膜断層像から発見することが可能です。

日本人の加齢黄斑変性の患者には、萎縮型よりも滲出型が多いとされています。滲出型は萎縮型と比べて進行が早く、視力低下や社会的失明状態に至るスピードも早いため、早期発見・早期治療が重要です

 

加齢黄斑変性の目の画像

画像は加齢黄斑変性の滲出型で出血・滲出が起きた網膜の状態です。

ここまで進行すると治療にかなりの時間を要します。そうなる前に、早期発見をすることが重要になってきます。

 

加齢黄斑変性の場合の見え方

加齢黄斑変性になると、対象の見え方に異常が生じます。

片目ずつ手でふさいで高い建物を見た際に、以下のような見え方にならないか確認してみましょう

 

見たいものがゆがむ

見ようとしている対象がゆがんで見えることがあります。これを「変視症」とも言います。

直立のものが曲がって見えるようであれば、注意が必要です。

 

中心が暗く見える

対象の中心が暗く見える視力障害を起こすことがあるのも、加齢黄斑変性の特徴です。

中心暗点と呼ばれ、視野の中央付近が黒く見えます。

 

全体的にぼやける

視野が全体的にぼやけます。疲れによる目のかすみだと思っていたら、加齢黄斑変性だったというケースもあります。

ただの疲れ目だろうとそのままにしないようにしましょう

 

不鮮明に見える

対象が不鮮明に見えることがあるのも特徴のひとつです。対象の形がはっきり確認できない、色が欠損して見えるなどの症状があります

進行すると、人の顔さえも判別不可能な状態になる危険性があります。

 

加齢黄斑変性を早期発見!自己チェック方法

加齢黄斑変性の早期発見のために、見え方に異常を感じたら、簡単にできる加齢黄斑変性の自己チェック方法を試してみましょう。

 

アムスラーチャートを使う

上図のような格子状に線が入った方眼紙の中心に●のついたチェックシート(アムスラーチャート)を用意します。それを目から約30cm離し、片目を手でふさいで中心点を見ましょう。

左右両方の目で行い、それぞれの見え方を確認してください。普段眼鏡をかけている方は、かけたまま行いましょう。

アムスラーチャートを見たときに、左右どちらかの目、あるいは両方の目で線がゆがむ、一部が欠けて見えるといった不自然な見え方があれば、加齢黄斑変性の疑いがあります。

特に片目の黄斑だけダメージを受けている場合、普段はもう片方の目で視力をカバーしていると考えられます。きちんと片目ずつで見てみないと、加齢黄斑変性の症状に気づきにくいので、必ず片目ずつ行いましょう。

 

見え方に異常があったら早めに病院へ

アムスラー検査で見え方に異常がみとめられたら、速やかに眼科クリニックを受診しましょう。もしも加齢黄斑変性だった場合、速やかに治療を開始すれば進行を抑えることも可能です。早期発見の重要性を認識しましょう。

また黄斑円孔、黄斑浮腫など黄斑部の疾患はほかにもありますが、加齢黄斑変性とは治療法が異なります。鑑別診断のためにも、眼科医の診断を受けましょう。

見え方に特に異常がない一般生活者の方も、アムスラーチャートを使った月に1回の自己チェックを習慣化するとよいでしょう。また、40歳を過ぎたら自覚症状がなくても1年に1回は眼科を受診し、眼底検査を受けることをおすすめします。

 

加齢黄斑変性の眼科治療

ここからは、眼科で滲出型の加齢黄斑変性と診断された場合、どのような治療が行われるのかを解説します。

 

【レーザー照射】光線力学的療法

光線力学的療法(光線力学療法)は、特殊な薬剤を腕から注射し、レーザーを当て、新生血管を壊す治療法です。

この薬剤は新生血管に集まる性質があり、そこにレーザーを当てると光で化学変化が起こります。それによって新生血管だけが効率よく除去されます。

3ヵ月ごとに造影剤を用いた眼底造影検査を行い、新生血管が残っていないか確認しながら、治療を継続していく方法です

 

  • 副作用

治療後に強い紫外線を浴びると、薬剤の影響で光線過敏症といった合併症を起こすことがあります。

治療後数日間は、サングラスをかける、日中の外出をなるべく避けるなどの対策が必要です。

 

【硝子体注射】抗血管新生薬療法

別名「抗血管新生療法」「抗VEGF剤硝子体注射」「抗VEGF薬治療」とも呼ばれ、現在、滲出型加齢黄斑変性の第一選択治療法となっているのが、硝子体注射による薬物治療です。

新生血管の成長を活性化させるVEGF(血管内皮増殖因子)の働きを抑える薬剤を注射し、新生血管を退縮させます。

使用する薬剤によっても異なりますが、4~6週間ごとに病院を受診し、定期的に視力検査や眼底検査を受けます。状態が良ければ経過観察、再発していれば注射治療する、といったように継続していきます。

 

  • 副作用

硝子体に薬剤を注射する際、まれですが細菌が侵入し炎症を起こすことがあります。治療後の細菌感染の予防に、抗菌の点眼薬が出ることもあります。

また全身性の副作用の例として、脳梗塞が挙げられます。脳梗塞の既往がある人は、問診時に医師に伝えてください。

ほか、中心窩まで脈絡膜新生血管が及んでいない場合は、レーザー光凝固術というレーザーで新生血管を焼き切る方法を取るケースもあります。

 

また、新たな治療法とすべく、iPS細胞を使った臨床研究も行われています。それは罹患者の皮膚細胞からiPS細胞を作って、シート状の網膜色素上皮細胞に変化させたものを用意。手術で新生血管を除去した後に網膜色素上皮細胞を移植するという方法です。この方法は根本治療になる可能性があり、医療現場で行えるようになることが待ち望まれています。

加齢黄斑変性の予防法

加齢黄斑変性の最大の要因は加齢ですが、眼の生活習慣病ともいわれる疾患だけあり、毎日の生活習慣を見直すこと予防的治療として効果が期待できます。さまざまな病気を予防するための健康情報にも登場する方法ですので、ぜひ実践しましょう。

 

禁煙

たばこを吸うと、体を老化させる「酸化ストレス」を抑制する物質が破壊されます。すると体内にたまった酸化ストレスが炎症を起こし、加齢黄斑変性の発症に関与するといわれています。つまり、喫煙は目の老化を招く危険因子でもあるのです

実際、喫煙者は非喫煙者と比べて、加齢黄斑変性の発症率が4~5倍も上昇することがわかっています。加齢黄斑変性の予防のために、まずは禁煙しましょう。

 

肥満解消

加齢黄斑変性には肥満も関係するといわれています。これは肥満になると動脈硬化を引き起こしやすく、網膜への血流が悪化し、それをきっかけに発症すると考えられているからです。

加齢黄斑変性はもともと、欧米では失明原因の第1位でした。近年は日本でも食生活が変化し欧米化しているため、加齢黄斑変性の患者数が増加しています。高脂肪食を好んで食べる人や、運動不足の人は注意が必要です

日頃の食生活を和食中心にしたり、適度に運動したりして肥満を解消しましょう。

 

効果的といわれる栄養素を摂る

加齢黄斑変性の予防には、以下のような栄養素の摂取が効果的とされています。

加齢黄斑変性の予防におすすめの栄養素 多く含まれる食材
亜鉛 牡蠣、ウナギ、牛肉
ビタミンC アセロラ、パプリカ、ブロッコリー
ビタミンE アーモンド、ピーナッツ、モロヘイヤ
βカロテン にんじん、ほうれん草などの緑黄色野菜
ω-3多価不飽和脂肪酸(EPA、DHA) サバ、サンマなどの魚類

抗酸化ビタミンといわれるビタミンC・ビタミンE・βカロテンと亜鉛やDHAをあわせて摂れる食事がおすすめです。

基本的には食品での摂取が望ましいですが、足りない栄養素はサプリメントで補うのもよいでしょう。

サプリメントを摂取する場合は、主治医に相談してください。

 

見え方が気になったら早急なチェックを!

少しでも、ものの見え方に違和感があったら、早急にセルフチェックをするようにしましょう。

加齢黄斑変性の発症が疑われる症状があったら、速やかに眼科を受診してください。早期発見・早期治療が治療効果アップ、生活の質(QOL)の維持・改善につながります

自己チェックのほかにも、加齢黄斑変性は日常生活での予防が大切です。緑黄色野菜の色素であるルテインは、黄斑部で酸化ストレスを除去する働きがあるといわれており、その効果は日本眼科学会でも報告されています。

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【加齢黄斑変性】進行度で変わる治療法|目の病気は早期発見が重要!



加齢黄斑変性は、歳を重ねると発症リスクが高くなる目の病気のひとつです。

加齢黄斑変性になると、ものが見にくい、視力低下などの症状が現れます。目の病気は日常生活に支障をきたす問題なので、早期発見が鍵となります。

この記事では、加齢黄斑変性の進行度別治療法および早期発見の方法について情報をまとめました

目の健康が気になる方、加齢黄斑変性について知りたい方は、ぜひチェックしてください。

 

黄斑の役割は?

この病名を知っている方以外は、「黄斑」という名前も聞き覚えがないかもしれません。

まずは、ものを見るメカニズムと、黄斑の役割について見ていきましょう。

眼球の中に光が入ると、その光は水晶体で屈折し、硝子体という部分を通って眼球の奥にある網膜で捉えられます。この光刺激が視神経を通して脳に認識され、「ものが見える」状態になります。

黄斑は網膜の中心窩を真ん中にして存在する部分で、ものや色を識別するのに重要な役割を果たしています

何らかの原因で黄斑がダメージを受け、黄斑の機能が低下するのが加齢黄斑変性です。脈絡膜新生血管という異常な血管が出現して黄斑を圧迫するタイプは特に注意が必要です。

出血や滲出物を伴う場合もあり、ものが見えにくい、中心視力が低下するなどの症状が現れ、さらに進行して網膜剥離に達すると、失明する危険性もあります。

加齢黄斑変性は欧米では成人の失明原因の第1位、日本でも第4位です。重篤な視力障害を引き起こす可能性のある疾患なので、早期発見・早期治療が大切です。

 

加齢黄斑変性が発症する原因

加齢黄斑変性を発症する原因はいくつか挙げられます。

自分にリスク因子がないか、確認してみましょう。

 

加齢

その名の通り、加齢黄斑変性の大きな原因のひとつが加齢です。加齢黄斑変性が発症するメカニズムは未だ明らかにはなっていません。

しかし、歳を重ねるにつれブルッフ膜(網膜色素上皮細胞と脈絡膜の間にある組織)に老廃物がたまって、網膜に酸素や栄養素を供給できなくなり、新生血管ができることがひとつの要因と考えられています

新生血管は非常にもろくて破れやすく、血管の活動性が上がると網膜下出血を起こし黄斑にダメージを与える場合もあります。その際は、硝子体ガス注入術が必要になると考えられます。さらに、出血が硝子体に及ぶと、硝子体出血を起こし、硝子体手術が必要になるケースもあるので早期発見が重要です。

国内の患者数はますます進む高齢化に伴い増加しています。男性は80~84歳、女性は75~89歳が患者数のピークですが、男女ともに50代で発症する方もいます。

「40歳を過ぎたら眼科検診を」とよく言いますが、歳を重ねるほど発症率は上がります。早いうちから健康に保つことを意識しましょう。

 

遺伝

近年の研究から、加齢黄斑変性の発症に遺伝が関与しているということも明らかになっています。

加齢黄斑変性には黄斑周辺の組織が萎縮する「萎縮型」と、血管新生により黄斑がダメージを受ける「滲出型(しんしゅつがた)」があります。

日本人では滲出型の方が患者数が多いです。このうち、滲出型については遺伝に関与する遺伝子が発見されています

この遺伝子があるからといって直ちに発症するわけではありませんが、加齢黄斑変性の家族歴がある場合は、他の人と比べて発症のリスクが高いということを知っておきましょう。

 

喫煙などの生活習慣

加齢、遺伝のほかに、加齢黄斑変性の3大原因のひとつで危険因子と考えられているのが喫煙です。喫煙者は非喫煙者と比較して、加齢黄斑変性を発症する確率が4~5倍も高いという報告もあります

このほかにも、長時間紫外線を浴びたり、脂質の多い欧米型の食生活を送ったり、パソコンやスマホによるブルーライトの影響を受けたりすることなども、加齢黄斑変性を引き起こす原因と指摘されています。

加齢や遺伝は対策を打てませんが、これらの生活習慣に関わる事柄は改善が可能です。あらゆる疾患を防ぐための健康情報に載っているようなことばかりなので、さまざまな病気の予防のためにも、原因を取り除く生活を送ることをおすすめします。

 

進行度で変わる治療法

加齢黄斑変性の治療は、その進行度によって異なります。

加齢黄斑変性の萎縮型・滲出型のそれぞれの治療法について解説します。

 

萎縮型の場合、治療法はない

萎縮型の場合、現時点では治療法は確立していません

萎縮型は徐々に進行するため、ある日突然失明するということはありませんが、QOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)をどのように維持していくか、というところがポイントになってくるでしょう。

これは加齢黄斑変性を発症する前の病期に当たる前駆病変(軟性ドルーゼン、膜色素上皮異常といった症状)の場合も同様です。禁煙するなどのライフスタイルの改善や、抗酸化物質を豊富に含有する食材を摂るなどの対策が加齢黄斑変性への進行抑制のためにも重要です。予防的治療とも呼ばれ、目に見える光をサングラスなどで避ける、アメリカの研究「AREDS」で有用性が認められた成分(抗酸化ビタミンにあたるビタミンC・ビタミンE・β-カロテンおよび亜鉛)を含むサプリメントを摂取するといったことも挙げられます。

 

滲出型(しんしゅつがた)の場合の治療法

加齢黄斑変性の疑いがある場合、まずは視力検査をしたうえで、

  • 蛍光色素を含有する造影剤を腕の静脈から注射、眼底カメラを使って眼底写真を撮影、新生血管やそこから漏れた血液がどこに存在するか調べる「蛍光眼底造影検査
  • 眼底三次元画像解析装置を使用し、網膜の断層画像を撮影。網膜断層写真より網膜のむくみや網膜色素上皮剥離、網膜出血箇所を調べる「光干渉断層計(OCT)検査

などの検査を行います。

それによって滲出型と診断された場合、進行度によって治療法が変わってきます。どのような眼科医による治療があるのか確認してみましょう。

 

  • 脈絡膜新生血管の発生箇所が黄斑の中心から離れている

新生血管が黄斑の中心部分から離れている場合は、新生血管にレーザーを当てて焼き固めるレーザー光凝固という外科的治療が行われます。

この治療法は正常な細胞にもダメージを与えてしまうため、黄斑から離れている新生血管に対して施されます。

 

  • 脈絡膜新生血管をとりあえず退縮させる

現在、滲出型の治療の第一選択となっているのが、硝子体への注射による薬物治療です。治療対象に新生血管が中心窩に及んでいる場合も含みます。

新生血管の生成を促進するVEGF(血管内皮増殖因子)の働きを抑制する抗VEGF薬を注射し、新生血管を退縮させるのが目的です。「抗VEGF療法」「抗VEGF薬治療」「抗VEGF剤硝子体注射治療」とも呼ばれます。

使用する薬剤により異なりますが、4~6週間ごとに病院を受診し、定期的に眼底検査を受けます。経過が良好であれば経過観察、再発していれば注射する、といった治療法です。

薬の効果、症状を確認しながらその患者に合わせて注射を打つ間隔を変える個別化治療を行う病院もあります。

初期であるほど治療効果を体感できるとされています。

 

  • 進行度によってレーザー照射も行う

進行度に応じて、薬剤とレーザーを組み合わせた「光線力学的療法(PDT)」も実施されます。

光に反応する特殊な薬剤(光感受性物質)を注入し、これが新生血管に到達したときにレーザー光を照射します。すると薬剤が化学変化を起こして血管を閉塞し、出血を止める仕組みです。

新生血管だけを効率よく除去できるレーザー治療法である光線力学的治療は、抗VEGF療法とセットで行われることもあります。

 

なるべく軽い治療で済ませるために!早期発見が重要

早期に治療を開始し症状を軽減させるためには、早期発見がとても重要です。加齢黄斑変性を早期発見するポイントを紹介します。

 

疲れ目かな…?で済ませてはいけない

加齢黄斑変性を発症すると、ものの見え方に違和感が生じますが、初期の場合は「疲れ目かな?」で済ませてしまう方も少なくないでしょう。

しかし疲れ目だと勝手に判断して放置してしまうと、発見が遅れる事態になってしまいます。

黄斑は網膜の中心部にあるので、加齢黄斑変性にかかると、視界の中だけが歪んで見える「変視症」や、視野の中心に黒い点が見える「中心暗点」など特徴的な見え方になります。さらに症状が進行すると、視力低下や色覚の異常も現れます。場合によっては矯正視力でも0.1以下になってしまうこともあるのです。

このような症状が現れたら、放置せずに速やかに眼科を受診しましょう

 

本を読むとき、高いものをみるとき片目で見てみる

片目だけ発症するケースがあるというのも加齢黄斑変性の特徴です。その場合、正常に見える方の目がカバーするので、異常に気づきにくいというのが難点です

早期発見のためには、時折、片目で見るクセをつけるとよいでしょう

本を読む前に、片手で片目を覆って文字を見てみる。そのときに、読みたい文字が暗くて見えづらかったり、ゆがんで見えたりしたら要注意です。また、高い建物を同じく片目をふさいでながめたとき、真ん中付近が暗かったり、ゆがんでいたりする場合も注意が必要です。

左右両方やってみて、どちらかの目の見え方にこのような症状があったら、加齢黄斑変性の疑いがあります。

 

チェックシートを利用する

自身で簡単に作れるチェックシートを使っても、加齢黄斑変性の可能性があるかわかります。

まず、方眼紙の中心に●のついた紙(アムスラーチャート)を用意します。

アムスラーチャートを30cmほど離した状態で片目ずつ中心部の●を見て、その見え方を確認します。

加齢黄斑変性の疑いがある方は、アムスラーチャートを見たとき、中心部がぼやける、線が歪む、一部が欠けるなどの症状が見られます

また片目だけ加齢黄斑変性になっている場合は、左右の見え方が異なるのでその点も確認しましょう。

 

詳しいチェック方法はこちら

加齢黄斑変性を早期発見!気になる症状と簡単にできる自己チェック法

 

ほかにもある!黄斑部の疾患

黄斑部に起こる病気は、加齢黄斑変性だけではありません。

ものの見え方に異常を感じたら、以下の疾患との鑑別診断が必要になります。

 

黄斑上膜(おうはんじょうまく)

網膜は眼球の奥にあり、その前に硝子体があります。歳を重ねると、この硝子体が自然に網膜から離れます。

そのときに網膜に硝子体の膜が残り、これが異常増殖して黄斑にダメージを与えるのが「黄斑上膜」です。

 

黄斑浮腫(おうはんふしゅ)

黄斑にむくみが生じ、黄斑の機能が低下する病気です。糖尿病網膜症、ぶどう膜炎などの疾患をもとに、二次的に発生するケースが多いです。

 

黄斑円孔(おうはんえんこう)

黄斑に穴が開くことを「黄斑円孔」と言います。高齢者に多いですが、強度の近視や眼球を強くぶつけた方にも起こる場合があります

一度開いた穴は自然には塞がらないので、手術で処置します。

ほか、黄斑に水ぶくれができて軽い網膜剥離が起こる「中心性漿液性脈絡網膜症(ちゅうしんせいしょうえきせいみゃくらくもうまくしょう)」という病気があり、この病歴があると加齢黄斑変性にかかりやすいといわれています。

 

加齢黄斑変性を予防できる生活をしましょう

加齢黄斑変性のリスク因子には、加齢、遺伝、喫煙などがあります。加齢黄斑変性は進行度によって病状も治療法も変わってくるため、早期発見が重要です

まずはセルフチェックを行い、違和感がある場合は眼科を受診してください。

また加齢黄斑変性の予防には、黄斑の細胞を守る働きがあるルテイン、ゼアキサンチンを含有するサプリメント・「朝のルテイン」がおすすめです。マンゴー味でおいしく、ゼリータイプなので手軽に摂取できます。

加齢黄斑変性の予防につながる生活習慣を今から始めましょう

 

目の病気「加齢黄斑変性」の初期症状は?早期発見のための3分間チェック法



加齢黄斑変性」という病気を知っていますか?

この病気は50歳以上の方に多い目の疾患で、日本の場合、とくに男性が発症する可能性が高いとされています。

加齢が原因で発症する白内障はレンズにあたる水晶体が濁る病気ですが、加齢黄斑変性は網膜の中心部に位置する黄斑に変化が現れる病気です

人口に対する高齢化および喫煙習慣や脂質中心の食生活などの目に悪影響を及ぼす生活習慣により、罹患者が増加しています。

今回は、加齢黄斑変性を発症した場合、どんな初期症状があるのか、早期発見のためにどのようなチェック方法があるのか、また、眼科での診断・治療方法などの情報をお伝えします。

 

初期症状は

加齢黄斑変性を発症すると、どのような初期症状が出るのでしょうか。

 

見たいものがゆがむ

加齢黄斑変性を発症すると、ものを見るときに光刺激を感じ取る「網膜」の真ん中にあり視細胞が集中し、視機能において重要な役割を果たす「黄斑」に障害が生じます。そのため、ものがゆがんで見える「変視症」が初期症状として現れるケースがあります

網膜の周辺部には障害が起こらないので、周辺部はゆがみません。

 

見たいものがかすむ

見ようとしているものが見えづらく、視界の中心部分がグレーになってかすみむこともあります

疲れ目や老眼だと思い込んで、そのままにしてしまいかねない症状です。

加齢黄斑変性は疲れ目のように目薬で症状が軽減することはないことを覚えておきましょう。

 

早期発見できないとどうなる?

加齢黄斑変性の初期は、日常生活であまり珍しくない症状が出ることが多くあります。

そのため、気づかぬうちに進行してしまう可能性も高いです。

では、早期発見・早期治療ができないと、病状はどのように進行するのでしょうか。

 

視力が落ちる

初期症状を気にせずに放置していると、黄斑部の変化が進み少しずつ視力が落ちていきます。

50歳以上に多い病気なので、老眼と勘違いしてしまう方も多いでしょう。

 

コントラストがはっきりしなくなる

色の対比が不鮮明になり、視界全体がぼんやりと薄い色彩に見えてしまいます

よくある目に起こるトラブルとは違うので気づきやすいはずです。

 

見たいものが黒く見える

さらに症状が進行すると、見ようとしているものが黒く見える中心暗点を引き起こします

確実に気づく症状なので、早々に眼科医の診断を受けましょう。

 

加齢黄斑変性を発症するメカニズム

まず、目が見える仕組み、黄斑の役割について説明しておきましょう。

目で物をみるという機序はカメラに似ています。カメラはシャッターボタンが押されると、光がレンズを通り、それがフィルムに像として焼き付けられます。

目の場合、通過した光は水晶体(カメラでいうレンズ)で屈折して焦点を合わせます。そして、網膜(カメラでいうフィルム)で、光が信号に変換され、脳に伝わり「見える」のです。

黄斑は、網膜の中心にある直径1.5mm~2mm程度の部分で、その真ん中にある中心窩は、見ようとしているものからの光が当たる部位です。したがって、黄斑では優れた視力が得られるのですが、周辺部の視力は劣ります。

そのため、黄斑に障害が起こると、視力の著しい低下が起こります

網膜の下には網膜色素上皮という細胞が位置し、その下に血管に富んだ脈絡膜という組織があります。これらが正しく働くことで網膜の機能を保っているのです。

では、加齢黄斑変性がどのように発症するのか、そのメカニズムを説明していきましょう。

加齢黄斑変性には、萎縮型滲出型の2つの型があるので、それぞれで説明します。

 

萎縮型

萎縮型の場合、網膜色素上皮細胞とブルッフ膜との間に溜まった老廃物が原因で組織細胞が徐々に萎縮していき、視力が少しずつ低下していきます

現在の医療では萎縮型の治療方法はありませんが、萎縮部分が中心窩まで至らない限り、高度な視力障害にはなりません。

ただし、萎縮型から滲出型へ変化する可能性はあるので、定期的な通院が必要です。

 

滲出型(しんしゅつがた)

異常な血管(脈絡膜新生血管)が脈絡膜から網膜色素上皮の下の部分、もしくは、網膜と網膜色素上皮間に入り込み、網膜に支障をきたす病気です。

この新生血管は破れやすく、出血したり滲出(血液中の液体の成分が組織にもれること)したりすると、網膜に影響を及ぼします

日本人には、脈絡膜血管の肥大化した部分から漏れた滲出物や出血によって黄斑部分が害されるポリープ状脈絡膜血管症というタイプが多いです。

 

放っておくとほぼ失明する可能性もある

黄斑部の病気は、気をつけていれば気づきやすい見え方の変化が現れるため早期発見が可能です。

しかし、目は左右ふたつあるので、片目のみに症状が出た場合、どうしても見える方の目で見てしまいます。それで生活に特に支障がないと放置してしまい、発見が遅れてしまうのです

最悪の場合、ほぼ失明状態になってしまう危険性があります

糖尿病網膜症や緑内障が成人の失明原因として知られていますが、加齢黄斑変性は国内の失明原因の4位で、その患者数は70万人にのぼると推定されています。

働き盛りの男性がかかりやすい「中心性漿液性脈絡網膜症」を患ったことがある場合、加齢黄斑変性を罹患するリスクが高いといわれているので注意しましょう。

 

早期発見のために自分でできる3分間チェック法

加齢黄斑変性は症状が進むほど難しい治療が必要になります。

そのため、初期段階で治療効果を上げるべく、早期発見されるに越したことはありません。

症状に少しでも早く気づくための3分間でできるチェック方法を紹介します。

 

片方の目をふさいで本を読んで見る

片方の目に症状が出た場合、見える方の目で視力を補ってしまい、発見が遅れてしまうことがあります。

本や新聞を読んでいて、読もうとしている部分の中央あたりが見えづらかったりぼやけたりする。

そんなときは、片目を手で軽くふさいで、本や新聞を読んでみます。それを左右交互に試してみましょう。

※目を固く閉じないようにしましょう

いずれかの目で、読もうとしている部分の真ん中近くが暗くて読みづらい、文字が歪んで見えるといった症状があるなら、加齢黄斑変性を発症している可能性があります

 

片方の目をふさいで高い建物を見る

高層ビルやタワーを眺めていて、中央あたりが暗く見えたり、ゆがんでいるように感じたりしたら、前述の本のときのように、片目ずつ見てみましょう。

いずれかの目で中央あたりが暗かったり、ゆがんだりしていたら、発症を疑いましょう

片目ずつ本を読んでみる方法よりも、高い建物を眺めてみるチェック法の方がゆがみには気づきやすいです。

 

チェックシートを使う

紹介した2つの方法で加齢黄斑変性かもしれないと思ったら、アムスラー検査と呼ばれるチェック法も試しましょう。

まず、画像のような方眼紙の真ん中に黒い点がある図が書かれた紙を用意します。これがチェックシートになります。

このチェックシートから30㎝ほど離れ、片目で中央の黒丸を見てみましょう

※眼鏡やコンタクトはつけたままで大丈夫です

黒丸付近の線がゆがんで見える、黒丸周辺が暗くぼんやり見えるという場合は、加齢黄斑変性を罹患している可能性があります。早急に眼科で診断を受けましょう。

 

病院での診断方法は

自己チェックの結果、加齢黄斑変性の可能性がある場合、眼科で検査を受けましょう。

通常の視力検査も行いますが、ほかにも専門的な検査を受けることになります。

どのような検査があるのか見ていきましょう。

 

眼底検査

網膜の状態を詳しく調べる検査です。特に黄斑をチェックします。

網膜のむくみの有無、出血していないか、血液中の水分が漏れていないかを確認します

また、これらの原因となる脈絡膜新生血管の有無も調べます。ただし、新生血管の大きさや位置、活動性まではこの検査ではわかりません。

 

蛍光眼底検査

診断を確定し、治療方針を決定するために、蛍光色素を含む造影剤を使用して新生血管の状態を詳しく調べる造影検査が「蛍光眼底検査(蛍光眼底造影検査)」です

血液中を流れた造影剤が新生血管に侵入したときに撮影し、眼底検査では不明だった位置や大きさ、活動性を調べます

ただし、造影剤アレルギーがあったり、高血圧であったりと、造影剤の使用を避けるべき病気を持つ場合、この検査は受けられません。

 

光干渉断層計検査

眼底の断面を撮影して、網膜断層像から網膜や新生血管の状態などを多角的に確認する検査が「光干渉断層計検査」です

新生血管がある場合はその形や大きさ、中心窩と新生血管の位置関係、網膜がむくんでいるか否か、加齢黄斑変性の合併症である網膜剥離や網膜色素上皮剥離が起きていないかも確認できます。

短時間で検査でき、造影剤も使わないので、患者さんの負担も少なく済みます

 

滲出型(しんしゅつがた)の治療方法

検査の結果、脈絡膜新生血管がみつかり、先生から滲出型の加齢黄斑変性であると診断を受けた場合は、治療対象となります。

どのような治療方法があるのか確認してみましょう。

 

薬による治療

脈絡膜新生血管の発生には、VEGFとも呼ばれる血管内皮増殖因子(血管内皮細胞増殖因子)が関係しているといわれています。そのため、治療法として、血管内皮増殖因子を阻害するのが有効です。

目の中(硝子体腔)に6または4週ごとに2~3回VEGF薬注射を打ち、脈絡膜新生血管の退縮を促します

この薬剤を眼内に注射する方法は「抗血管新生療法」「抗VEGF剤硝子体注射治療」「抗VEGF薬治療」などと呼ばれています。後述の光線力学的療法(光線力学療法)と併せて治療に取り入れることもあります。

 

レーザー照射による治療

レーザー照射による治療には、光線力学的療法レーザー凝固があります

光線力学的療法では、光感受性物質「ビスダイン」を点滴した後、出力が非常に弱い専用レーザー光を病変に照射します。治療後48時間は目に強い光線が当たると、光感受性物質の影響で光過敏症を引き起こす可能性があるので、注意しましょう。

レーザー凝固は、脈絡膜新生血管が黄斑の中心から離れた箇所にある際に行われる治療法です。病変を出力の強いレーザーで固めて壊します。病変が黄斑の中心まで侵食している場合は、激しい視力低下を引き起こすため行いません。

また、網膜下出血が悪化して黄斑に及ぶと、血腫となり黄斑を傷めます。そのため血腫を移動させるために、早々に「硝子体ガス注入術」を受けるケースがあります。硝子体出血が発生している場合は、硝子体を切除して、硝子体出血を取り除く「硝子体手術」が必要となることもあるので、滲出型の場合、早い段階で治療を行うことが大切です

ほか、新たな加齢黄斑変性の治療法としてiPS細胞を利用する臨床研究も進められています。

 

加齢黄斑変性の予防対策にはルテインがおすすめ

加齢黄斑変性を発症する原因には、偏った食事も含まれます。予防的治療として、目の健康を保つ成分を取り入れることも有効です

抗酸化ビタミンであるビタミンC・Eや亜鉛とあわせておすすめの成分が「ルテイン」です。

ルテインは、レンズにあたる水晶体と網膜の中心である黄斑部に多く含まれ、目の重要な部分を活性酸素や紫外線などから守ってくれる抗酸化物質です。ルテインは、40歳を境に激減し、50歳では若いときの半分以下まで減ります。体内では生成できない成分のため、減った分は外から補う必要があります。

ルテインを多く含む食品は、ほうれん草、にんじん、ブロッコリーなどの緑黄色野菜です。予防のためには、1日につき6㎎~10㎎、効果を実感するには、20mg以上摂取する必要があるとされています。

毎日の食事で十分な量のルテインを摂取するのは難しいという方もいるでしょう。そんな方におすすめしたいのが、朝のルテインです。

からだの弱っているところを補う栄養であるプラセンタも配合されており、ルテインの持つパワーのバックアップも期待できます。ゼリータイプのサプリメントで、味はマンゴー風味。毎日飽きることなくおいしく続けられます。

人生100年時代です。日常生活の中で、食事のバランスに気をつけ、サプリメントなどもうまく活用して目を守りましょう。

 

加齢黄斑変性を早期発見!気になる症状と簡単にできる自己チェック法



歳を重ねるにつれ発症リスクが高まる目の病気のひとつが加齢黄斑変性です。

加齢黄斑変性は目の見え方に影響を及ぼし、QOL(生活の質)を低下させる原因となります。時には社会的失明を引き起こすこともあるので、進行を抑制するためには早期発見がとても重要です。

今回は加齢黄斑変性の症状と、自分で簡単にできるセルフチェック方法を紹介します。

目の健康を守るためにも、この記事の情報を参考に目の見え方をチェックして、加齢黄斑変性の早期発見につなげましょう。

 

加齢黄斑変性の症状は?

加齢黄斑変性を発症すると目の見え方に影響が現れます。

まずは加齢黄斑変性の症状を確認していきましょう。

 

黄斑が加齢によりダメージを受けて発症する

加齢黄斑変性は、目の網膜の中央部に存在する黄斑が歳を重ねるにつれて損傷を受け、目が見にくくなり、視力低下などの症状が現れる網膜疾患です。

光が水晶体で屈折して硝子体を通過、網膜に達し、光刺激となって視神経を通して脳で認識されると、物が見えているという状態になります。

黄斑はこの網膜の中心にあり、視力の要となる部分です。物や色を識別したり、文字を認識したりするのに重要な機能を果たしています

 

どんな見え方になる?

加齢黄斑変性になると、通常と見え方が異なってきます。

代表的な症状としては、視野の中心が波を打ったように歪んで見える「変視症」視野の中央付近が黒く見える「中心暗点」が挙げられます。周辺部は正常に見えるのが特徴です。

この他にも、視力の低下、さらに進行すると色覚の異常などの症状も現れます。放っておくと失明することもあり、緑内障、糖尿病網膜症に次いで日本人の失明原因の第4位となっています。

初期症状の場合、目のかすみや疲れ目と勘違いするケースも多いです。

 

症状は2タイプ

加齢黄斑変性は、発症原因によって「萎縮型」と「滲出型」の2タイプに分けられます。

 

萎縮型

網膜の一番外側にある組織が徐々に萎縮し、黄斑にダメージを与えるタイプです。

ゆっくり進行して徐々に視力が低下するのが特徴です。

 

滲出型(しんしゅつがた)

脈絡膜網膜色素上皮細胞の下に位置するブルッフ膜に老廃物が溜まると、VEGF血管内皮増殖因子)が放出され脈絡膜新生血管と呼ばれる異常な血管が発生します。これが原因で視覚障害が生じるタイプ滲出型(しんしゅつがた)です。新生血管は細くてもろいため、体液がたまってむくんだり、新生血管の活動性が上がると血管が破れて網膜下出血したりするリスクがあります。このようにして漏出した体液が黄斑にダメージを与えるのです。合併症として網膜剥離や網膜色素上皮剥離といった手術を伴う症状を引き起こすケースもあります。

加齢黄斑変性で日本人に多いのは滲出型と言われています。滲出型は萎縮型と比べて進行が早く、急激に視力が低下することもあるので、早急な治療が必要です。

治療できないほど進行し、視機能が失われると高度視力障害が残ってしまいます。

 

アムスラーチャートで自己チェック

見たいものがよく見えない……。

そんな兆候があったら、まずは「アムスラーチャート」で自己チェックをしてみましょう。

 

チェック方法

方眼紙のような格子状の線が書かれている紙の中心に●をつけたシート(アムスラーチャート)を用意します。

それを約30cm離して片目で中心の●を見ましょう。見え方を左右それぞれで確認します。

普段眼鏡やコンタクトレンズ使用している方は、そのままチェックをしてみてください。

 

こんな見え方なら要注意!

以下のような見え方の場合は、早急に眼科クリニックの医師に相談しましょう。

 

中心がゆがむ

見ようとしている中心のマス目がゆがんで見える場合は、加齢黄斑変性を引き起こしている場合があります。普段も視界がゆがんで見えることがあるのではないでしょうか。

 

線がぼやける

線がぼやけて暗く見える場合も罹患の可能性があります。

普段、疲れ目かな?と思っていたところ、このチェックで想像以上にぼやけて見えていることに気づけるケースもあります。

 

一部が欠けて見える

ある一部分が欠けて見えてしまう場合も、発症している可能性があります。

普段両目で見ているため、症状に気づいていないのかもしれません。

 

片目が見えづらい

加齢黄斑変性は両眼性ではなく片目のみに発症することもあります。片方の目のみ視力が低下していっている場合、もう片方の目がカバーするので、自覚症状がなく加齢黄斑変性の発見が遅れる可能性があります

滲出型(しんしゅつがた)の場合は早期発見・早期診断が重要なので、片目が見えづらい場合も早めに病院の医師の診断を受けましょう。

 

加齢黄斑変性になりやすい人をチェック

加齢黄斑変性になりやすい人には、以下のような特徴があります。

加齢黄斑変性のリスクとなりうる因子を確認しておきましょう。

 

40歳以上の男性

病名の通り、歳を重ねるにつれ加齢黄斑変性を発症する危険性は高くなります。40歳以上になると誰でもかかる可能性のある病気です。

福岡県久山町で2007年に行われた調査では、50歳以上で加齢黄斑変性を罹患している方の割合は80人に1人でした。この結果を日本の総人口に換算すると、50歳以上の患者数は69万人と推定されます。

よく「40歳を過ぎたら定期的に眼科検診を」といわれます。実際、さまざまなデータから見ても、40~50代は加齢黄斑変性をはじめ、目の老化による疾患が現れてくる年代です。

また疫学的に見ると、加齢黄斑変性の罹患者は男性の方が女性よりも約3倍多いともいわれています。40歳以上の男性の方は、加齢黄斑変性を罹患するリスクが高いことを知っておきましょう。

 

家族に加齢黄斑変性の人がいる

加齢黄斑変性になるのは、遺伝の影響も大きいと考えられています。

特に滲出型は加齢黄斑変性の発症に関与する遺伝子の存在が確認されており、この遺伝子を持つ人は発症率が1.4倍ほど高くなるという研究結果もあります。

遺伝のメカニズムについては詳細が明らかになっていない部分もありますが、遺伝的素因を持つ人にリスク因子となるような生活習慣があると、加齢黄斑変性を発症する確率は高くなるといえるでしょう。

 

喫煙者

加齢、遺伝と並んで加齢黄斑変性の3大原因のひとつと考えられているのが、喫煙です。

喫煙者は非喫煙者と比較して、加齢黄斑変性を発症する確率が4~5倍も高いことがわかっています。

喫煙は体を老化させる「酸化ストレス」を抑制する物質を破壊してしまいます。喫煙は目の老化を招く危険因子で、加齢黄斑変性を発症させる可能性があるのです

 

肥満の人

肥満の人も、加齢黄斑変性を発症するリスクが高くなります。これは肥満になると動脈硬化を引き起こし、網膜への血流が悪くなることが原因だと考えられています

加齢黄斑変性は従来より、欧米における失明原因の第1位とされてきました。近年は日本でも食生活の欧米化にともない、加齢黄斑変性の患者数は増加傾向にあります。

高脂肪食を続けていると肥満になり、それが加齢黄斑変性を引き起こす可能性があると指摘されています。

 

長時間太陽を浴びる人

長時間太陽の光を浴びる人は、加齢黄斑変性になりやすいといわれています。

紫外線は網膜にダメージを与える可能性があるため、屋外の仕事など長時間太陽の光を浴びることが多い人は、注意が必要です。

 

生活習慣を変えてできる予防法

加齢黄斑変性は、歳を重ねるにつれ誰もがかかる可能性のある病気です。しかし、リスク因子を取り除けば、発症を抑制できる可能性もあります。

加齢黄斑変性は「目の生活習慣病」ともいわれているだけに、日常生活のちょっとした心がけが予防につながります。

ここからは、毎日の生活習慣の改善で可能な加齢黄斑変性の予防法を紹介します。

 

禁煙する

加齢黄斑変性を引き起こす可能性がもっとも高い生活習慣は喫煙です。予防するためには禁煙しましょう。

特にたばこを吸う本数が多い人、喫煙歴が長い人は要注意です

いきなり禁煙するのは難しいかもしれませんが、少しずつ本数を減らすのも予防への第一歩です。自分の力だけで禁煙するのは自信がないという人は、禁煙外来を受診するのもひとつの方法です。

一方で、禁煙の効果が出るまでには10年を要するという報告もあります。早めに禁煙して、目の健康を保ちましょう

 

バランスの良い食事

食事は栄養のバランスを意識して摂りましょう。高脂肪食は避け、加齢黄斑変性の予防につながる栄養素を積極的に摂取することが重要です

加齢黄斑変性の予防に良いとされている栄養素は、抗酸化ビタミン(ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE)亜鉛βカロチンなどです。

また緑黄色野菜に多く含まれるカルテノイドの一種であるルテインゼアキサンチンにも、加齢黄斑変性の予防効果があるといわれています。

どれも健康を維持するための関連情報に登場する栄養成分ばかりなので、体全体を健やかに保つためにも進んで摂取しましょう。

 

適度な運動

肥満は加齢黄斑変性のリスク因子のひとつです。適度な運動を心がけ、脂肪をためこまない体を目指しましょう。

運動は毎日継続することが肝心なので、無理のない程度にすることが大切です

運動が苦手という人は、無理してジムに行く必要はありません。1駅手前で降りて歩く、電車通勤から自転車通勤にする、エスカレーターではなく階段を使うなど、日常生活で無理なく取り入れられるものからはじめてみましょう。

あらゆる健康情報で簡単にできる運動が紹介されているので、それらも参考に自分に合った運動方法を見つけましょう。

 

サングラスをかける

紫外線による網膜へのダメージを予防するためには、サングラスをかけるのがよいでしょう。

帽子や日傘なども紫外線対策になりますが、アスファルトの照り返しも防ぐためにはサングラスが効果的です。

また、パソコンやスマートフォンなどから発せられるブルーライトも一因になり得ます。ブルーライトカットのめがねを着用したり、長時間の使用を避けたりといった対策を取りましょう。

 

加齢黄斑変性 滲出型の治療法

加齢黄斑変性のうち、病気の進行が早い滲出型に関しては、眼科医による治療法が確立されています。

視力検査のほか、蛍光色素を含有する造影剤を使用しておこなう「蛍光眼底造影検査」、眼底の断面を見ることができる「光干渉断層計」のような眼底検査などを経て滲出型の加齢黄斑変性と診断された場合は、治療を進めていきます。

滲出型の治療方法は以下の通りです。

 

レーザー光凝固術

レーザー光凝固術は、加齢黄斑変性の原因となる新生血管をレーザーで焼く治療法です

ただしレーザー治療は正常な細胞にもダメージを与えてしまうため、中心窩(ちゅうしんか:黄斑の中心部分直径約0.35mm)より外側に新生血管がある場合に行われます。

 

光線力学的療法(PDT)

光に反応する薬剤を注入し、新生血管に到達したときにレーザーを当て、新生血管を破壊する治療法がPDTとも呼ばれる光線力学的療法(光線力学療法)です

新生血管以外の細胞にはほぼ影響を及ぼさないため、新生血管だけを効率よく除去できます。3ヵ月ごとに眼底検査などの各種検査を実施し、様子を見ながら治療を継続していく方法です。

治療後に強い紫外線を受けると、光線過敏症といった合併症を引き起こすケースがあるので、サングラスをかけるなどしてリスクを避けましょう。

 

抗VEGF療法

新生血管の生成を促進するのは、VEGF(血管内皮増殖因子)という物質だといわれています。このVEGFの働きを抑制するVEGF薬を注射し、症状を抑えるのが抗VEGF療法です

抗VEGF硝子体注射薬にはルセンティス、アイリーアがあります。これも定期的に検査を行い、再発していればもう一度注射する、といったように治療経過を見つつ薬物療法を進めていきます。

 

▶早期発見と予防で加齢黄斑変性のリスクを軽減!

加齢黄斑変性は早期発見により、進行を抑えることができます。目のかすみや見にくさが気になっている人、加齢黄斑変性になりやすい体質や生活習慣のある人は、一度セルフチェックをしてみましょう。

また食事や運動など、毎日の習慣を少し見直すだけで、加齢黄斑変性の予防につながります。食事の栄養バランスを考えるのが大変という方は、手軽に摂取できるサプリメントを活用するのもよいでしょう

朝のルテインは、黄斑の細胞を守る働きがあるルテイン、ゼアキサンチンを含んでいます。マンゴー風味のゼリータイプで摂取しやすいので、おいしく継続できます。

加齢黄斑変性の予防のために、今からできることを少しずつ始めてみましょう。

 

目の病気「加齢黄斑変性」に目薬は効く?眼科治療と目の健康を守る生活とは



年齢を重ねると発症しやすい目の病気というと、白内障や飛蚊症を思い浮かべる方が多いかもしれませんが「加齢黄斑変性」という疾患もあります。

加齢黄斑変性は目の見え方に影響するため、発症すると生活に支障をきたす可能性がある疾患です。

加齢黄斑変性を発症した場合、目薬で治るのでしょうか。

この記事では、加齢黄斑変性の特徴や眼科で行う治療法、日常生活で可能な予防対策などの情報を詳しく解説します

 

加齢黄斑変性とは

はじめに、加齢黄斑変性の特徴から見てみましょう。

 

加齢による目の病気

目に入った光は、水晶体から目の中央部にある硝子体を通り、カメラでいうフィルムの役割を持つ網膜に達して、光刺激となり脳に認識されます。

この網膜の中心部分に「黄斑」という組織があり、黄斑の中央に位置する中心窩(ちゅうしんか)には色や形を識別する視細胞が集まっています。

そのため、黄斑は物を判別したり、文字を読んだりするのに重要な場所です

加齢黄斑変性は、年齢を重ねることで黄斑に異常が生じる目の病気です。

加齢黄斑変性の前駆病変として発生する老廃物「ドルーゼン」は、加齢によって網膜細胞が変性することが原因で生まれます。

 

加齢黄斑変性は失明原因の4位!

失明を引き起こす目の病気には、糖尿病網膜症や緑内障などがありますが、加齢黄斑変性もそのひとつで、日本では失明原因の4位となっています。欧米では1位です。

高齢化社会が進むにつれて、加齢黄斑変性の患者数は年々増加しており、特に50歳以上の男性の発症率が高い病気といわれています。

加齢黄斑変性の症状は片目から起こることが多く、もう片方の目で視力を補ってしまうため発症に気づきにくい病気です

また、症状に気づいても、老化現象と受け止めてしまう場合があるので注意しましょう

 

発症の原因には「萎縮型」と「滲出型」がある

加齢黄斑変性は進行性の疾患で、大きく分けて「萎縮型」と「滲出型」があります。

 

【萎縮型】

萎縮型は、網膜のもっとも外側を覆う「網膜色素上皮細胞」が、徐々に萎縮することで発症します。

ゆっくり進行し、少しずつ視野の中心部の視力が低下していくのが特徴です。

 

【滲出型】

滲出型は、網膜の下にあるブルッフ膜に老廃物が溜まることに端を発して脈絡膜新生血管(異常血管)ができ、その血管が破れて血液成分や滲出物が漏れ出網膜下出血などを起こし、黄斑に危害を与えて発症します。硝子体出血まで起こすとほぼ目が見えなくなるため、硝子体ガス注入術や硝子体手術が必要になります。

進行が早く、急激に視力が低下するなどの症状が現れるのが特徴です。

日本人の場合、「ポリープ状脈絡膜血管症」という瘤状に肥大した脈絡膜の血管から漏れ出た血液や滲出物により、黄斑部に障害を伴う滲出型の変性が発生するケースが多いです。

黄斑に水ぶくれができることで発症する中心性漿液性脈絡網膜症の病歴を持つ方は加齢黄斑変性になりやすい傾向にあります

 

加齢黄斑変性の症状とは

加齢黄斑変性を発症すると、どのような自覚症状が現れるのでしょうか。

代表的な症状を確認してみましょう。

 

ものがゆがんで見える

黄斑にダメージを受けると、視野の中心のみがゆがんで見えるケースがあります。

これを「変視症」と呼び、視野の周辺は通常通り見えるのが特徴です。

 

中心が見にくい

加齢黄斑変性を発症すると、視野の中心が暗く見えにくくなる「中心暗点」が起こる場合もあります。

 

視力が低下する

視野の中心部がぼやけて見えるなど、視力低下も加齢黄斑変性の症状のひとつです。

症状が進行すると色覚異常などの症状が現れることもあります。

 

疲れ目かと目薬をさしても良くならない

見え方に違和感があるとき、「疲れ目かな」と考える方もいるでしょう。

しかし、目薬・点眼薬をさしても症状が良くならない場合は、加齢黄斑変性の可能性も疑ってください。

現在は、加齢黄斑変性による視力障害を目薬だけで回復させることはできません早めに診断を受けて正しい対策方法をとりましょう。

 

チェックシートで症状があるか確認

加齢黄斑変性かどうかを診断するには、視力検査や、蛍光色素を含む造影剤を使った蛍光眼底造影検査、光干渉断層計を使用して網膜の断面を調べ、網膜剥離や網膜色素上皮剥離、脈絡膜新生血管などの発生箇所を見つける網膜断層検査等の眼底検査が必要です。眼底写真、網膜断層像を見ると病変箇所が一目でわかります。

また、自分でも、方眼紙のようなチェックシートを使って、加齢黄斑変性の可能性を調べられます

早期発見が大切なので、下記のチェックシートを使って目の見え方を確認してみましょう。

 

①チェックシートから30cm離れた位置まで離れます。

②中心にある黒い点を片目ずつ見ます。老眼鏡やメガネをかけている方は、かけた状態で見てください。

中心部がゆがんで見える・暗く見えるなど、見え方がおかしいと感じたら、早めに医師に相談しましょう加齢黄斑変性の改善を望むなら早期治療が肝心です。

 

加齢黄斑変性の治療法

加齢黄斑変性の滲出型の場合は眼科治療が必要です。

どのような治療法があるのかチェックしておきましょう。

 

滲出型の治療法

滲出型の治療方法には、レーザー光凝固術というものがあります。脈絡膜新生血管をレーザーで焼き切るのですが、レーザーが当たった視細胞まで機能をなくして見えなくなってしまうという欠点があります。そのため「光線力学的治療(PDT)」や「抗VEGF薬療法(抗血管新生薬療法)」などの治療法が主になっています。

 

【光線力学的治療(PDT)】

光に反応する薬剤を注射し、弱いレーザー光線を照射して新生血管を破壊するレーザー治療法が光線力学的療法(光線力学療法、PDT治療)です。

 

【抗VEGF薬療法(抗血管新生薬療法)】

新生血管の成長には、VEGF(血管内皮増殖因子)が関わっていると考えられています。抗VEGF薬療法は「VEGF阻害薬」を硝子体に注射(抗VEGF薬注射)して、新生血管を退縮させる治療法です(抗VEGF剤硝子体注射治療、VEGF阻害剤硝子体注入とも言う)

 

有効薬「ルセンティス」とは?

ルセンティスは、抗VEGF薬療法で硝子体注射に使用されるVEGF阻害薬の一種です。

VEGFの増殖や成長を抑えるため、加齢黄斑変性に対する治療効果が期待できます。

 

ルセンティスでの治療法

ルセンティス療法は抗血管新生療法とも呼ばれます。治療当日は目や目の周りを消毒し、麻酔をしてからルセンティスを注射します。

月1回、目にルセンティスを注射する治療を3か月繰り返し、その後は定期的に検査をして、脈絡膜新生血管の活動性が見られた場合は注射を行います

治療日前後の3日間は感染を防ぐために、抗菌点眼剤(抗生物質配合の目薬)の点眼が必要です。

人それぞれ治療スケジュールが異なるので、治療を受ける際は治療方針を医師とよく相談しましょう。

 

副作用について

ルセンティスの注射後、ごく稀にですが眼圧上昇・視力低下・一過性視力低下・眼痛・網膜出血などの副作用が起こる可能性があります。

また、注射後に細菌に感染すると、眼の痛みや不快感、光に対する過敏症などが起こる場合もあるため、違和感を覚えたらすぐ担当医師に相談しましょう

 

萎縮型の場合はどうする?

萎縮型の加齢黄斑変性は、現在のところ有効な治療薬や治療法がないため眼科治療対象にはなりません生活習慣の改善やサプリメントの服用など、症状の進行予防が期待される方法を取るにとどまります

萎縮型から滲出型に移行して急激に視力が低下する場合もあるので、定期的に病院で検診を受けることが大切です。

 

日常生活で可能な予防対策は?

加齢黄斑変性は、年齢を重ねることで誰でも発症する可能性がある病気です。

しかし、「目の生活習慣病」ともいわれ、日常生活の過ごし方が発症に関係している場合があります。

日常生活で可能な予防対策・予防的治療を実行して、発症リスクを低くしましょう。

 

禁煙

タバコを吸うと、血液中の酸化ストレスを抑える物質が破壊されやすいといわれています。その関連で、喫煙者は加齢黄斑変性の発症率が高い傾向があるので、禁煙しましょう。

禁煙の効果が出るまでには10年程度かかるともいわれています。早めに禁煙して発症リスクを抑えるのがおすすめです

 

太陽光を避ける

太陽光の中の青色光が目に当たると、目の老化が進み、加齢黄斑変性の発症が高まる可能性があります。

外出時には、サングラスをかける・帽子をかぶるなどの紫外線対策をしましょう

また、パソコンやスマートフォンの光も発症率を上げる危険性があるといわれています。ブルーライトカットのメガネを着用することをおすすめします。

 

予防効果が期待できる成分を摂る

加齢黄斑変性の発症には、栄養の偏りが関係していることも考えられます。

栄養バランスのとれた食事の中で、意識的に予防効果が期待できる成分も摂取するようにしましょう

加齢黄斑変性の予防対策におすすめなのが、

  • ビタミンA
  • ビタミンC
  • ビタミンE
  • 亜鉛
  • βカロチン
  • ルテイン

などです。

抗酸化ビタミンや亜鉛も重要ですが、特に、緑黄色野菜に多く含まれているルテインの摂取が少ないと、加齢黄斑変性の発症リスクが高まる可能性があります

基本的に食事から摂取するのがおすすめですが、不規則な食生活になりがちな方は、サプリメントを活用しましょう。

 

加齢黄斑変性が気になる方はルテインを習慣に

いざルテインをサプリで取り入れようとしても、どれを選べばいいか迷う方は多いのではないでしょうか。

そんな方におすすめなのが「朝のルテイン」です。

朝のルテイン」は、人工甘味料不使用・マンゴー風味のゼリータイプのサプリメントで、「医療従事者が選んだ目のサプリ第1位」を獲得しています。

特許製法によってマリーゴールドの花から抽出・精製した「フリー体ルテイン」を使用。フリー体ルテインとは人間の持つルテインと同じものです。

しかも、体内に取り込みやすい水溶性ルテインなので効率よく摂取できます。

ルテインの1日当たりの摂取推奨量は6mg~10mg、積極的に予防するなら20mg以上が目安とされています目の健康維持のために、ぜひルテインの摂取を習慣にしましょう。

 

▶目の健康を考えるなら生活習慣を変えましょう

目を酷使しているつもりはなくても、年齢を重ねると目の病気を発症する可能性があります。

加齢黄斑変性を予防するには、日々の生活習慣を見直すことが大切です禁煙・紫外線対策・予防が期待できる成分を摂るなど、今回解説した情報を参考にして、ぜひ目の健康を守る生活をしてください。

もしも症状を感じたら、早めに専門医師に相談しましょう。